お仕事紹介

乗務員以外にも、タクシーに関わるこんなお仕事があります。
どのような仕事内容なのか、ご紹介します!

運行管理者

運行管理者とは、タクシー運行の安全を確保するための業務を行う人のことです。
乗務員の勤務時間や健康状況の監督、乗務や事故の記録管理などが主な仕事内容です。
今回は、運行管理者の方に詳しくお話を伺いました。

荏原交通株式会社 齊藤 大さん

日々のあいさつやコミュニケーションに、ものすごく気を遣います。
みんなを立てる、そういう管理者でありたいと思っています。

荏原交通株式会社

齊藤 大さん(運行管理者歴6年)

取材日:2016年2月

一日のスケジュール
5:00 出勤

前日の日報などの締めの作業を行います。

6:00 点呼

乗務員が出社してきます。一人ずつ個別に点呼を行い、注意事項を伝え、体調をチェックして送り出します。
その際、車両は1台1台中も外も見て、異常のない車両だけ送り出します。

日常業務

ハイヤー関連の仕事をしたり、営業所の研修に立ち会ったりします。
車の整備や、メーターの検査も行います。

15:00 業務終了

ここで一日の業務が終了になりますが、事故が起きたりすると、深夜でも行かなくてはなりません。
常にリスクはついて回ります。

本当に多岐にわたる業務内容です。
乗務員さんや、会社を良い状態にするために、何でもする、というイメージですね!

インタビュー
運行管理者のお仕事内容を教えてください。
乗務員の健康面や勤務時間の管理、事故が起きたときの対応、売上・給与の管理もやっています。
最近は乗務員の高齢化もあるので、体調の管理がすごく重要視されています。
1営業所に300人以上の乗務員がいて、60代、70代が数十人いて、皆さんいろいろな病気を抱えた上で仕事をしているわけですから、それは大変です。
運行管理者になった経緯を教えてください。
私の場合は、入社時にもともと管理職の希望を持っていたのですが、そのとき空いているポストが無かったり、いろいろな事情で乗務員として1年間乗務しました。
その後、当時の統括運行管理の方に声をかけられ、家族に相談した結果、乗務員は歩合給で安定しないので、固定給が良いだろう、ということで運行管理に入りました。
運行管理者の中には、元乗務員の者も多いのですが、実際自分が経験したということも一つの強みになると思います。
運行管理者になる方はどんな仕事をしていた方が多いですか?
他のタクシー会社や、トラックの会社で運行管理をしていた人のほか、全く別の職種から来た人もいます。
別の職種だった方は覚えるのに最低何ヶ月かかかります。特に事故や苦情の対応っていうのは独特なものですから・・・交渉だったり、知識も必要ですし、覚えるまで時間はかかります。
あと適性ですね。どれだけやってもだめな人もいますし、案外すぐできちゃう人もいます。
どういった方が向いていると思われますか?
心臓に毛が生えているような人ですかね(笑)
いちいち細やかに悩んでしまう人には向いていないと思います。
事故や苦情の対応をしているときにもそう思います。基本的に何か外でトラブルが起きて、後で頭を下げるのは我々なので。菓子折り持って謝りに行くことも、数え切れないほどありました。
また、乗務員にもいろいろなタイプがいて、中には全く言うことを聞かない人もいますので、人間関係の面でも、これは神経が細い人は務まらないな、と思います。
「事故や苦情の対応」というのはどういったことをするんですか?
事故には過失の割合や損害の金額などがあって、できる範囲で会社に不利益にならないよう交渉をすすめていきます。事故をこちらが起こしてしまった場合は、最初に誠心誠意謝罪をするんですが、そういったことが、まず大事になってきます。
苦情の対応では、運行管理者が乗務員への苦情の電話を受けたのが、話がこじれて、もう乗務員は途中からどうでも良くなって、その運行管理者に対しての苦情にすり替わってしまう、なんてこともあります。
そしてそのこじれた電話を僕が受けたりもします。すごい経験になります。勉強にもなりますし。
 
でも人の話を聞くことですよね。根気強く相手の話を聞いて「この人はちゃんと話をいつまででも聞いてくれるんだ」と思っていただくのが、まず大事です。それは、事故相手や苦情相手だけじゃなくて乗務員に対しても、部下や後輩、上司、誰に対しても、話をちゃんと聞いて理解するっていうのが大事だと思います。
「点呼」というのはどんなことをするんですか?
基本的には、免許証のチェック、出庫・帰庫時のアルコールチェックなど、やらなきゃいけないことと、一通りの手順があります。
あとはその日の注意事項とか、接客用語・経営理念の唱和などをしながら、乗務員の体調をしっかり見ています。何かおかしなところがあれば、その日は乗らないで帰らせる、ということもあります。
 
事故防止も重要な問題です。高齢化に伴って高齢者の事故も多くて、とはいえ人不足の中で高齢者もずっと使っていかなければならない。矛盾した中で、いかに事故を減らせるか、いろいろなことを試してやっています。まだこうすれば事故は無くなるという方法は一つも見つかっていませんが、やり方しだいでは事故はゼロにできると思っています。
みんな二種免許を持っていますから、運転が下手で事故が起きるんじゃなくて、事故のほぼ100%が乗務員の精神面に起因しているんです。ですから、そこは管理者のやりかたひとつ、乗務員をどういう精神状態にさせるのか。精神面をいい状態にしてあげられさえすれば、究極の話、事故はゼロになるんですよね。
そこを目指しています。難しいですけどね。
そして、送り出すときは、必ず「気をつけて行ってらっしゃい」という一言をかけています。
運行管理者になりたい人はどうしたらよいですか?
まずは年に2回の運行管理者試験に受かることです。
あとは募集している会社が少ないので、頑張って探すか、ドライバーとして入社して、勉強しながら虎視眈々とチャンスを狙う、という方法もあると思います。
乗務員は運行管理者を選べませんから、自分が管理をするというより、管理をされる相手の気持ちを大事にして、この人が管理者でよかったと思ってもらえるような管理者を目指して欲しいと思います。
ありがとうございました!

編集後記

齊藤さんは運行管理者としては「まだペーペーです」とのことでしたが、冷静な口調の影から、事故ゼロに対する熱い想い、 乗務員やお客様に対する真摯な様子が伝わってきました!

取材協力

荏原交通株式会社

〒142-0063 東京都品川区荏原6-12-12

TEL:03-3783-5116 / FAX:03-3783-5118

HP:http://www.ebarakotsu.com/

※掲載内容は取材当時のものです。

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