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「おぉ~い、ウエちゃん!自分(君)いつになったらここへ住民票を移すねん?一年中、昼過ぎか ら晩まで居てるやろぉ?」 とウエちゃんはタクシー運転手仲間からよく言われます。 ウエちゃんが住民票を移そうかと考えているほど一年中いる、大阪市港区海岸通の巨大水族館の 海遊館には色んな奴がやって来よります。 色んな奴と言ってもお客さんの事ではおまへん! 眼光鋭く獲物を狙うハイエナよぉ~な目をさらしたタクシー運転手の事なんですわぁ。 ここ海遊館は夏休みになると遠方からの親子連れのお客さんが増える。 そこで待ってましたの如く、その客を狙って市内各所から普段あまり見た事があらへんタクシーが どこからともなくやって来るんやねぇ。
今年の夏休みは安治川というきちゃなむさい川を挟んだ対岸の大阪市此花区に、ユニバーサルス タジオ・ジャパン(USJ)が開園して、海遊館の客足も夏休み早々から例年よりはるかに多い。 時々、ウエちゃんのタクシーに乗り込んで来るホテル関係者との車内の会話によると大阪市内の ホテルは夏休みの期間全て、オーバーブッキングが続いていて頭が痛いと言う。
夏休みに海遊館に集結するハイエナ運転手たちの狙いは当然、伊丹空港や関西空港、新大阪駅送 り、京都観光に奈良観光、神戸観光に有馬温泉行き等の長距離客である。 このハイエナ運転手たちは海遊館へ来れば必ず、長距離の客が乗ってくると信じている運転手ば かりなんやねぇ。そんなんやったら、大阪市内全てのタクシーが海遊館に集結する。ちょっと、頭 をひねって考えれば解りそうなものなんやけど。アホちゃうかぁ?
海遊館の場合、夏になると暑いので歩き疲れて心身ともにフラフラになり、近くの地下鉄の駅まで (大阪港駅・約300m・660円)とか、約2キロ強先にある臨時駐車場まで(740円)とか、 JR弁天町駅(1380円)と言う客が全体の70%ほどを占めている。 こんな時、なんにも知らないタクシー運転手がギーターを持った渡り鳥の馬に乗った小林旭のよ うに突然やって来て、必ず起こすトラブルは当然の如く乗車拒否である。
ほとんどのハイエナ運転手が 「あぁ~ん?地下鉄の駅ぃ~!アホかぁ!そんな近いとこやったら歩かんかぁい!何を考えとん ねん!ボケェ!」 と暴言を吐く。 何を考えとんねん!…とはアホ顔をしたお前のほうである。
7月20日~7月22日までの間は、夏休みの三連休と言う事もあり家族連れが水族館内に溢れ返り 、タクシー乗場は乗車拒否のラッシュである。 ウエちゃんたち強烈な強面(こわおもて)の、天使のような優しい心を持ったタクシー運転手で 組織する海遊館乗車拒否撲滅委員会のメンバーたちは、乗車拒否をした運転手をタクシーから無理 矢理に引き摺り出して説諭するのに大忙しの三日間であった。
「こらぁ~!そこの運転手!ワレェ~、何をさらしとんじゃぁ!こらぁ!」 「はぁ~?なんやねん!おっさん!」 「ワレェ~、今、乗車拒否さらしたやろぉ?」 「それがどないしてん!アカンのけぇ?」 「客を見てみぃ!ちっちゃい子供の手を引いて泣きながら地下鉄の駅のほうへ歩いとるやんけぇ!」 「…………?」 「ワレェ、えぇカッコさらしとったら、こらぁ!いてまうどぉ!順番崩して何をさらすんじゃぁ!ワレェ~!出てこんかぁい!」
ここまで言うとほとんどのハイエナヤカラタクシー運転手は不思議に決まって同じ台詞を言う! 「ワシは生活がかかっとんじゃぁ!ごちゃ、ごちゃぁ文句言うなぁ!」 どうも乗車拒否常習のヤカラタクシー運転手様は、生活を賭けてタクシー運転手の仕事をしてる んは全国でも自分一人だと思っているらしいんやねぇ。
色々と言葉優しく説諭すると次に言う言葉も不思議に決まっている。 「解ったわぁい!次ぎの客は絶対に乗せていくさかいに、それでえぇねんやろぉ!文句あらへんや ろがぁ!」 「次ぎの客~ぅ?アホかぁ!何、ぬかしとんねん!おのれみたいな運転手に次があるんかぁ?この 乗り場の列から出て行かぁんかぁい!こらぁ!おのれのぉ、順番はもう終わったんじゃぁ!えぇカ ッコさらすなぁ!ボケェ、こらぁ!」 とウエちゃんは山に篭って修行を積んだ僧侶か仏さんのよぉ~に、優しく諭(さと)すのであり ます。
しゃぁけど冷静になってよぉ~考えたら、なんで自分のタクシーの仕事をほっといて、こんなん をせなぁ~アカンねやろぉねぇ? 大阪や東京にはヤカラ運転手や不良運転手をを指導取締りをする、然るべき組織があったんとち ゃうんやろかぁ? ウエちゃんの手許には、車番、会社名を書いたここ数年間の乗車拒否タクシーのリストがありま んねんけど、もぉ~、そろそろ実名を公表してもえぇんちゃいますやろかぁ? 放送局へ専属で入ってはるタクシー会社はん! 新聞社の社旗を靡かせて大阪市内や阪神高速を疾走してはるタクシー会社はんも、ぎょ~さんこ といてはりまっせぇ!どないでっかぁ?
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●ウエちゃん
タクシー運転手と文筆の二足の草鞋を履く大阪のタクシー運転手 著書・・・ 『笑う運転手/ウエちゃんのナニワタクシー日記』 『国道の西、夜明けのミナミ/ウエちゃんのナニワタクシー日記』 (両著とも…本の雑誌社より刊行)
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