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タクシーの思い出  - 林 雪江(はやし ゆきえ)

1稿 「憧れの職業」 2003.10.07

ドライバーという仕事が、子供の頃の憧れであった。
タクシーの運転手、バスの運転手、大型トラックの運転手、飛行機のパイロット、運転する対象が大きければ大きいほど、私が尊敬する職業の上位にあった。
運転に対する尊敬の念は、おそらく幼い頃から見ていた、車を運転できる人=父親という図式からくるものだと思う。
特に子供の頃は、毎年夏休みになると車で家族旅行に出かけた。旅行中の長い時間、車を運転しつづける父親の姿が偉大に思えた記憶があり、私の中に長時間の運転に対する特別な感情が育った。
そんな理由からタクシーの運転手は、私の尊敬する職業の1つである。
そしてまた、子供の頃の記憶を辿れば、風邪や腹痛で学校を休んだ日には、病院へ行くためにタクシーを呼んだ。
母親がタクシー会社に電話をかけ、家の傍の通りで母親と二人、タクシーがくるのをじっと待った。困った時に利用することが多かったタクシー。感謝の記憶もよみがえる。

タクシーの運転手は、ひとたび、お客様を乗せれば知らない道でも進まなければならない。
きっと思いもよらない所で一方通行に出くわすこともあるだろう。
考えただけでも私には、できそうにない。そして、長時間の車運転。肉体的にも無理だという声が頭の中に響いてくる。目も、腕も、足もすごい疲れそう。それにお客さんが居なかったら眠くなりそう。などなど、考えると呆れるような理由までも浮かんでしまう。
この、自分にはできそうもない、無理だという思いが更に、この職業に対して憧れを強めているに違いなかった。

また、医師・看護士のような人の命をあずかる職業も私が憧れる職業として光り輝いている。そして、タクシー運転手も人の命をあずかる職業としては同じ。
交通事故を起こせば、命は簡単に消えてしまうからだ。
相当な覚悟がなければ出来ない仕事であろう。特に私は、ブレーキとアクセルを間違え自宅の庭に突っ込んだ経験があり、助手席に座っていた者は、座席から物凄い勢いで浮かびフロントガラスに額を打ちつける事態となった。(自宅に着いたという安心感からシートベルトを外した直後の出来事)そんな私には、タクシー運転手になる覚悟がとても重大な事に思えるのだ。
特に首都高速では、助手席に座っていても分岐点にある中央のコンクリート部分に吸い寄せられる思いがする。どちらの道に行こうか迷ったら最後、分岐点に突っ込んでしまうだろう。現に、そのような事故を起こしてしまった女性ドライバーのニュースを見たこともある。
今だ、免許証がゴールドカードの私でも、周囲の制止があって高速道路を運転した事がない。
判断ミスや少しの気の緩みで、人の命は取り返しがつかない事態となり、すみませんでした。では、すまされない。
それだけに、タクシーの運転手は責任の重い素晴らしい職業だと思います。


  

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林 雪江(はやし ゆきえ)

会社員
タクシーの利用頻度 月3回程度
タクシーで高速道路を走るとなんだか嬉しくなる

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林 雪江(はやし ゆきえ)

タクシーに関する呆れるような勘違いや思い出、タクシーにまつわる体験談を綴ったエッセイ