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とうとう、イチローが野球選手のあこがれの舞台、米大リーグ・オールスター戦に出場する。 それもアメリカンとナショナルの両リーグの全部門を通しての最高得票を獲得してのことである。 MLBに登録された選手1200人の中で、たった3ヶ月しか実績のない新人選手が人気No.1になるなどということは、メジャー史上初めてのことであり、異常な出来事といえる。 6月25日、メジャーリーグ公式サイトは、イチローがオールスターゲーム・プログラムの表紙 掲載選手に選ばれたと報じた。 今年のプログラムは初めて表紙に複数のデザインが採用されたが、イチロー以外の4選手はいずれも過去のオールスターゲームでMVPに輝いたスーパースターである。 広報担当者は、「4選手の採用は、オールスターゲームの歴史における彼らの貢献への謝意を表するため。イチロー選手については、彼が初の日本出身野手として驚異的な活躍をしていることはもちろん、 今年の開催地のシアトルへの敬意を表するために決定した」と述べている。
今シーズンのマリナーズの戦力については、トレードの影響で昨年の好成績は期待できないとの見方が多かったが、 なんとなんと7割を上回る記録的な勝率で優勝街道を突っ走っている。特に、史上最高の年俸で移籍したA・ロドリゲス選手を失った落胆が大きかっただけに、 その穴を埋めたイチローの活躍がシアトルのフアンにフィーバーを起こさせたのであろう。
基礎票となるシアトルの人口は231万人で、これは大リーグの球団がある28都市では18位である。 イチローの獲得した337万票のうち、日本からの用紙投票は68万票であり、日本のファンの後押しがなくてもイチローは出場を果たしていたことになるそうである。 そのうち専門家による票数についての分析が発表されると思うが、この投票結果が本当に全米の野球フアンがイチローを認めたことの証明になるのか心配になってきた。 そこで、3月に始まったオープン戦に戻ってその答えを探すことしよう。
オープン戦が始まった時、日本のフアンはおやと思ったに違いない、イチローは専売特許のあの大きな振り子打法をやめていたのである。 メジャーの投手のスピードに対抗するためであろう。私が驚いたのは、オープン戦の途中でイチローが「これからはボールの上を叩いてみようと思う」と語ったことである。 あの早いボールの上下を狙って叩けるというのはやはり大打者だなと感心した。それからはイチローはひたすらゴロを打つ事に徹底しているようである。 メジャーの外野手の守備位置は日本よりも浅い。それでいて後方への守備にも強く、フライがヒットになる確率はゼロに近い。 又、内野手は肩が強いので守りが深く、サードはベースから離れているので三遊間が狭い。それでもイチローの場合は、ゴロの方がヒットになる確率がはるかに高くなる。
イチローのバッテイングの凄いところは、相手の変化に対処して常に進化するところである。 シーズンが始まって間もなく、普通のショートゴロが安打になったことがあり、イチローが一塁まで4秒以内で走れることが判ると、 相手の内野手は前進守備をとるようになった。これでイチローは外角低めの球を測ったようにレフト前に落とす得意技が可能になった。 これからは、相手投手は内角高めを攻めてくることが多くなるだろう。イチローはそれに対処する答えを必ず見つけるに違いない。
普通はチームへの貢献度を見る時、平均打率、得点圏打率、安打数、得点数、盗塁数等の数字に注目する。特に得点圏打率や得点数は実戦的有効率と見ることができ、 イチローはこの点で目覚しい働きをしている。また、盗塁は数が多いだけでなく、ここぞというところで敢行される。それだけに、相手投手は注意を打者に集中することが出来ず、 球種が制約されることから味方打者を有利にする。 このような攻撃面の貢献度の数字はたしかに目覚しいものがあるが、 これだけでは得票が一位になる現象は説明できない。攻撃面ではもっと凄い数字、例えば年間80本を超えるペースでホームランを打っているバリー・ボンズ(ジャイアンツ)のような存在もある。
オークランド(米カリフォルニア州)4/11日 マリナーズのイチロー外野手が早くもメジャーの“強肩列伝”に名を連ねた。 敵地でのアスレチックス戦で右翼から三塁へドンピシャの送球をした。米国では強肩をロケットアームと呼ぶが、中継したFOXテレビのアナウンサーは「レーザー光線のようだ!」と絶叫。 マ軍ピネラ監督が「まさにキャノン(大砲)だ」と興奮した。そしてモーゼス守備コーチは「送球の高さが変わらないのが凄い。パーカー(元パイレーツ)に匹敵する」とまで言い切った。 捕球した地点から三塁までは約60メートルだが、ボールは指から離れて1.6秒で到達。「打球が来ただけ。自然な動きです」と本人は淡々と語ったが、バッテリー間の3倍以上の距離があったにもかかわらず、 時速はなんと135キロにも達していた。 シアトル・タイムズは「今後も語り継がれるプレー」と書いて「The・Throw(スロー)」とつけ加えた。「The」を用いる表現は歴史的な名場面だけ。イチローのメジャー初補殺はすでに伝説化したのだ。 この日以降、対戦相手はライトに球が行った時に塁を欲張るのは勝ち味のないギャンブルをするようなものと考えるようになった。
カンザスシティー(米ミズーリ州)28日 マリナーズのイチロー外野手はロイヤルズ戦の四回、右中間席へのホームラン性の飛球を好捕し、敵地のファンをうならせた。
シアトル(米ワシントン州)29日 マリナーズのイチロー外野手がオリオールズ戦で3度のファインプレーを披露。
イチロー選手、7月3日の試合前の談話では「オールスターに出るということは想像もできませんでした。シアトルでゲームがあると聞いて、自分もなんとしても見なくては、ということでチケットを早く買いました。」 などととぼけているが、マリナーズとの契約内容にはちゃんと 球宴ファン投票 5万ドル 球宴ファン投票最多得票 7万5000ドル 球宴ファン投票ア・リーグ最多得票 5万ドル 球宴ファン投票監督選出 2万5000ドル のボーナス条項があり、イチローには初めからオールスター出場には自信があったと考えられる。兎に角凄い男である。
米ワシントン州シアトルが活気づいている。大リーグのシアトル・マリナーズで活躍するイチロー外野手、佐々木主浩投手を見に、 日本から観光客がどっと押し寄せているからだ。地元の人たちは「イチロー現象(フェノメノン)」と呼ぶ。「両選手の経済効果は5年間で1億ドル(約120億円)以上」との試算もある。
これからのイチローの記録は、自動的に日本人野手の記録となる訳だが、それにとどまらず必ず大リーグ記録をも更新する能力を持っていると思う。世界のイチローとなった今後が大いに楽しみである。
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●坂本 互(さかもと わたる)
元タクシーサイト代表取締役社長、現在タクシーサイト顧問 元タクシー問題懇談会会員 元イースタンモータス常務 株式会社システムオリジン顧問 東京におけるタクシー向けコンピュータシステムの草分け的存在
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