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新聞やテレビで、自分がかって訪れたところが紹介されると、なんとなく懐かしく感じられるものである。 1月18日の日本経済新聞にペンシルベニヤ州のアーミッシュの人達の記事が出ていた。 2年前の夏、前から是非行きたいと思っていたランカスター地方のアーミッシュカントリーを尋ねた。 ここでは18世紀に欧州から移住してきたキリスト教の一派の人たちが、昔ながらの独特の教義と戒律を 守って生活している。近代文明の新技術は原則使用禁止なので、自動車は使わず馬車に乗り、電気もガスも 利用しない。勿論テレビやパソコン、写真もだめで、さすがに公衆電話はよくなったそうである。
フィラデルフィアから100キロ位、高速道路を車で約1時間半走って、お昼近くに予約したレストランに 着いた。アーミッシュの人たちは、日頃から共同作業が多く、そのため食事も大勢が一緒に食べるそうである。 カントリにはそれを体験できるレストランがいくつかあり、そのold styleの料理は美味しいと評判で、 休日は予約が必要だそうである。大きなテーブルに各地から訪れた知らない同士が同席して、和気藹々で おしゃべりしながら次から次と田舎料理を手渡しして食べる。私達の隣に座った老夫婦は、毎年一度は必ず 来るそうで、次に何が出るかよく知っていて、これは控えめにとか、これがお奨めとか実に親切に世話を 焼いてくれた。野菜は勿論オーガニックである。味も良かったが雰囲気がなんとも云えず、自分もアーミシュ になった気分を味わえる。
カントリーには、ところどころに町がありアーミシュの手作りの民芸品を売る店が集まっている。 アーミッシュのキルトは世界的な評価を受けていて、殆どの観光客が高価な品を買って行く。 最近はインターネットでも買えるのだが、やはり現地では格安で買えるらしい。町では典型的な服装をしてひげ をはやしたアーミッシュの男性が、脇に男の子を乗せて馬車を走らせているのを見かけた。次の町まで行くのに、 1時間ぐらい走った。途中の景色は北海道の富良野に似ていて起伏に富んだ畑がどこまでも続く。 現地を見るまでは、小さな村にアーミッシュの人たちが集まって暮らしているのを想像していたが、 アーミッシュカントリーはとてつもなく広かった。さらにオハイオ州のカントリーはもっと広いと聞いては もう開いた口がふさがらない。改めて、アメリカの広さを実感した。
案内してくれたレイ・プライス氏によれば、これらの観光業を経営しているのは、カントリーに住んでいる オランダ人だそうである。しからばアーミッシュはなに人かというとドイツ、スイス、オランダと色々だそうだ。 要は信仰で決まるということらしい。
ところで日経新聞「技術創世記」は、次のような内容である。地元の人たちと共同で経営する企業にはパソコン があり、ネットが活用されている。いくら内輪で禁じてもネットの影響力から逃れられそうも無い。「技術との 幸せな距離」を保ってきたアーミッシュ。予想を超えた情報技術の発展は孤高の田園生活に試練をもたらしている。
ワシントンでもニューヨークでも、典型的な服装をしたアーミシュの一団が観光旅行をしているのを見かけた。 ニューヨークの国際観光ビルのそばにはアーミッシュの民芸ショップがあった。インターネットでキーワードを 「amishu」で検索するとアーミッシュのキルトを販売する世界中のホームページがヒットされる。 日経新聞の伝えるネットの影響は、こんな形で出ているのかもしれない。
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●坂本 互(さかもと わたる)
元タクシーサイト代表取締役社長、現在タクシーサイト顧問 元タクシー問題懇談会会員 元イースタンモータス常務 株式会社システムオリジン顧問 東京におけるタクシー向けコンピュータシステムの草分け的存在
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