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世紀の狭間に想う 今日は昨日の続き、そして明日へと続いて行く。時の流れは河の流れのように絶える事はない。 その流れを、ミレニアムとか世紀とかに大きく区切ることに、どういう意味があるのか、今まで深く考えたことがなかった。
この時期、テレビや雑誌では今世紀の○○大出来事とかの特集が盛んに行われている。そこで、人間は過去に起こした ことを反省するために区切りを作ったのかなと考えてみた。或いは、嫌なことを一旦ご破算にして新しく出直す意味もある かな、とも考えたが、どちらも違うようである。
歴史は繰り返すと言われるように、人類は歴史に学ぶことをせず、性懲りもなく過ちを繰り返して来た。起こしたこと起きた ことがそのまま歴史となり、コンピュータゲームのように「はい、リセット」というわけにはいかない。多分、世紀とは人類の 長い歴史の中で、大きな出来事がいつ頃起きたのかのかの目安にするための区分であろう。
500年ぐらい後の人々は、20世紀を代表する出来事として何を選ぶだろうか。「思想・主義による民族浄化」ということで 共産主義の誕生とソビエット連邦の崩壊やナチズムの興亡なども有力となるだろう。しかし、後世にまで影響を及ぼしたとい うことで、「世界戦争と科学技術の発達」の方に軍配が挙がるだろう。
今世紀中に人類は2度にわたり、世界的規模の大戦争を行った。特に第二次大戦では、民間人を巻き込んだ史上空前の 大量殺人が実行された。その結果として、勝者は何を得たのだろうか。又もや、戦争が無意味であることが証明されただけ である。しかし、新兵器開発のための軍事技術は戦後民間に転用されるに及んで大化けを遂げた。すなわちコンピュータと ロケットである。
弾道計算を目的とした計算機エニアックはコンピュータに進化し、今世紀最大の発明となった。軍事用から始まったインター ネットは、社会の仕組みそのものを変えるかもしれないし、ゲノム計画の進行は人間を神の領域に近かづけている。 V2爆弾の技術は人類の月面到達を可能にし、人工衛星、宇宙ステーションとなって開花した。
これらは、すべて金に糸目をつけない軍事技術が基になっており、経済計算を考慮した民間の研究では実現できなかった ものであった。そのうち原子力だけは、スリーマイルズ島やチェルノブイリの事故で「ノット・コントロール」を宣言され、殆ど の国で20世紀中に見捨てられた科学技術となった。これらの新技術を駆使して、政府、産業界、個人がそれぞれの役割 や責務を果たしたアメリカは、世界第一位の経済大国となり景気拡大の長期記録を更新中であるが、他国の資本頼みの 経済発展は自ずから限界がある。
一方、日本は世界大戦の敗戦国でありながら、平和の配当をフルに活用した経済復興で、一時は「21世紀は日本の時代」 とまで言われた。しかし、世紀の最後の段階で不動産投機を主とするバブル経済が破綻し、「失われた10年」間の不毛の 政策によって構造改革が先送りされ、時代に不適合な政治・経済・社会システムのまま、21世紀を迎えることとなった。
既定の計画にこだわり、今後も原子力発電所を作り続けるはそのいい例である。 新世紀を迎えるにあたって、政治、経済 システムの抜本的な改革を断行することは焦眉の急であり、それには当然多大の痛みを覚悟しなければならないことは、 誰しも判っているのに、具体的な計画や提案はなされていない。これらを可能にするうえで、インターネットは非常に有力 な手段となり得る。経済の世界では、新しいビジネスモデルが構造改革を齎すことはすでに実験済みである。
先日の国会での総理大臣不信任劇の際、加藤代議士のホームページに1週間で15万通を越すメール投書があったことや、 さらに、長野県の知事選挙に於ける県民運動の盛り上がりなどを見ていると、新しい政治の息吹が確かであることが感じられる。 かっての、イタリアでブロディ首相の唱えたオリ-ブの樹や、韓国で行われた学生による落選運動のような草の根民主主義の 個々の運動が、インターネットを通じて大きなうねりとなる時、日本の新しい歴史が始まるのではないか。
21世紀の人類に共通する最大の課題は、化石燃料から脱却と、それに代わる新エネルギーの開発である。これなくして、人類 の21世紀文明は成立出来ないが、困ったことはそれを可能とする科学技術の研究予算を戦争以外の手段で調達しなければな らないことである。その答えは、恐らく宇宙ステーションにあるのではないか。
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●坂本 互(さかもと わたる)
元タクシーサイト代表取締役社長、現在タクシーサイト顧問 元タクシー問題懇談会会員 元イースタンモータス常務 株式会社システムオリジン顧問 東京におけるタクシー向けコンピュータシステムの草分け的存在
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