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第11回パラリンピック・シドニー大会は10月29日、12日間にわたるすべての日程を終了した。 今回は、時差が少なかったせいかテレビの放映時間が殊のほか多く、日本選手の活躍を充分に堪能することができた。おかげで、今まであまり関心がなかったパラリンピックについても、勉強させられたことも多い。 肢体障害者の競技会は英国のグッドマン博士が戦争で負傷した脊髄損傷者のリハビリテーションのためにスポーツを取り入れたのが始まりといわれている。
PARALYMPICはOLYMPICとParallel(平行)に行われる大会という意味であるが、今回の閉会式は5輪とパラリンピックを合わせたスポーツイベント「シドニー2000」の閉会式と位置付けられて行われた。
前回大会までのようにニュースの中でちょっと紹介されるのと違い、競技や試合を最初から全部しかも解説付きで観るのでは理解度や印象が全然違ってくる。これはもはやリハビリの延長などではない。高い競技性を備えた新しいスポーツである。高校時代に選手をやっていたのでよく判るのだが、車椅子バスケットは手を使えないサッカーのように、手しか使えない難度の高い新スポーツである。
オリンピックが高い賞金獲得の場と化した今、パラリンピックではすべての選手がそれぞれ何らかの人生ドラマを持っており、スポーツは彼らの生きるあかしとなっている感があり、我々の琴線に触れるものが多い。中でも、難病のため両手片足を失った少年の想像を絶する泳法には、感動で思わず涙が出た。
最多のメダルを獲得した開催国のオーストラリアは、障害者大国といわれ各種の交通手段が完備しているだけでなく、健常者と同じスポーツ施設が利用できるそうである。
振り返って日本の実情を考えると誠にお寒いといわざるをえない。
遅まきながら、今年11月にバリアフリー法案が施行されるが、現状はバリアフルの状態で、駅前は放置自転車で車椅子どころか歩行者も通るのがやっとである。
ノーマライゼションの理念だけが先行する中で、積極的に外に出る障害者が増えているが、その場合絶対に必要になるのは外出支援の諸情報である。
財団法人全国福祉輸送サービス協会の仕事の依頼を受けてから、一週間毎日インターネットをサーフィンしてみたが、車椅子移動情報に関するホームページの数の多さ、種類の豊富さは驚くばかりであり、障害者の悲痛な訴えを聞く思いがした。駅のエレベーターの有無、車椅子で入れるレストランとかトイレの場所のような草の根発信というべき手作りホームページも多く、相互にリンクし合いつつ今もどんどん増えている。
このような小さな力が結集して関連情報を充実していくのがインターネットの本来の形といえるが、それが活用されるためには必要な情報をたやすく検索できるエンジンが不可欠となる。
以前から福祉情報に特化した検索手段の必要性が提唱され、一部の学者の個人的な努力で情報の系統的分類が進められているが、多くの利用者は情報の氾濫に困惑している様子がうかがわれる。
バリアフリー法が施行されても、当分の間はやはり安全で便利な交通手段は特殊装備の自動車だけであり、とりわけ公共輸送機関としての福祉輸送タクシーの役割は大きい。
ところが利用可能なタクシー会社の情報は情けないくらい少なく、利用者がホームページに辿り着くのは至難の業である。
このような状況下で、財団法人全国福祉輸送サービス協会が、全国レベルの福祉輸送サービスのポータルサイト(情報の窓口)を開設されることは、社会的にも有意義で真に時宜を得た企画であり、タクシー業界の社会的評価を高めるものである。
ポータルサイトの中では、日本各地にある300社のタクシー会社のホームページが紹介される。
今回のように社会福祉に貢献できる仕事で、タクシー業界のお手伝いが出来ることは当社及びスポンサーの会社にとって真に光栄なことであり、仕事冥利につきるものである。
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●坂本 互(さかもと わたる)
元タクシーサイト代表取締役社長、現在タクシーサイト顧問 元タクシー問題懇談会会員 元イースタンモータス常務 株式会社システムオリジン顧問 東京におけるタクシー向けコンピュータシステムの草分け的存在
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