私が暮らす杭州市にはサンルンチョー(三輪自転車)が約千両杭州市運輸管理局の認可を受けて営業している。 サンルンチョーは、街の中心部にいて近距離輸送を担っている。歩いていける距離だが、スーパーやデパートでの買い物帰りに手荷物があったりすると利用する。それ以外の移動には、バスやタクシー(出租車=チューズーチョー)を利用する。 運賃は、メーターなどもちろんなく、許認可制でもなくお客との相対取引で決められる。一キロ~ニキロの相場が五元(六十円)、二人まで乗れて運賃は同じ。毎回、利用するごとに値段交渉しなければならず、いささか煩わしい。交渉下手の私は、かなりぼったくられて来たのであるが、それでも結構利用している。サンルンチョーは中国庶民の足として定着した乗り物になっているといえる。 日本では、年間百件近くのタクシー強盗事件が発生していると聞くが、ことサンルンチョーで強盗事件があったという話を聞かない。もっともサンルンチョーの運転手というのか車夫というのか、お金を持っていないのが事実で、強盗してもそれに見合うお金が手に入らない?ということのようだ。その意味では、日本のタクシー強盗も同じでタクシーの一日の売上げを考えれば、強盗するに見合うお金が手に入らないはずなのにむしろ増加しているのは不思議な話である。 ところで杭州は、中国の東南沿岸に位置し、京杭(北京杭州)大運河の南にある。上海まで一五一キロ、漸江省の省都で、政治、経済、文化の中心地である。四季がはっきりしており、温暖で、年間平均気温が摂氏十六度。杭州市区の面積は三千六十八平方キロ、人口は三百八十七万人である。農村部からの出稼ぎ人口を加えると二倍以上になる。中国の歴史文化の街で重要風景観光都市であり、中国の七大古都の一つである。自然が豊かで山紫水明の地・杭州を私は大変、気に入っている。 一月二十九日から二週間、所用で帰国。二年ぶりに東京の街を歩き故郷の静岡県静岡市(旧清水市)に帰った。杭州にいたときに感じた旧清水市と杭州市の気候、風土が似通っていることを再認識した次第である。それにしても、いま日本で三輪自転車が「自転車タクシー」ということでチョッとしたブームになっていることを知り驚いた。ことサンルンチョーに限っては、中国が遅れて日本が進んでいるのか、中国が進んでいて日本が遅れているのか、私には一瞬、判断がつきかねてしまった。
このコラムはタクシー専門情報紙「タクシージャパン」2004年3月01日号に掲載された「ダイキの中国TAXIリポート」から、特別に転載の許可を頂いたものです。 タクシー専門情報紙「タクシージャパン」ホームページはこちら
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●西湖大樹
1976年11月11日生まれ。静岡県清水市(旧称)出身。サッカー小僧で清水市立商業サッカー部へ進む。挫折して中退後鉄筋職人をしながら夜間高校に通った。その24歳で立正大学中退、会社も辞める。25歳、2002年2月17日に中国へ渡る。
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