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シニアのふれあい考 - 大庭 康作(おおば こうさく)

2稿 「“待ち…間ち…間”の心理考」 2001.07.19

車を運転していると、何度か“ひやり”する事がある。又、車による事故は大概、一瞬の出来事であろう。
 事故を起こすと お巡りさんが立会いにきて、「どこで、どのくらいのスピードを? そしてブレーキは? その時、相手の車は…」と尋問される。
 物理的な一瞬のことなどそんなに明確に覚えていない。目撃者や第三者がいなければ、とかく自分に都合のよいほうに思考がかたむくであろう。
 表面に現れた物理的な状況は一応記録されても、その時の“間”の取り方までは把握しにくい。 更に、伏線となっているその時の運転者心理状態まではなかなか判らない。体調不良や、朝家を出るとき奥さんとけんかをして カリカリしていたような事がなんらかの影響をしているかもしかもしれない。
 あの時、一寸 間をとれなかったのかと悔やむ。
 これらは、バイオリズムとの関係とか、交通心理学会?等で専門的に研究されている事と思う。 まさに”間の一瞬…魔の一瞬“と言えよう。
 以前、科学警察研究所の上山先生から伺った話に次のような事がある。
あるタクシー会社の協力を得て、車にドライブレコーダーやデジタルタコグラフを装着し、ドライバーの運転行動を分析された。その中に面白いなあと思った事がある。
 AさんとBさんの二人は、水揚げも 無事故暦もほとんど同じであるが、その違いは Aさんは非常に急発進・急停止が多い。 それに反しBさんは少なく、なだらかな運転がなされている。
 上山先生はAさんに「だまされたと思ってBさんのように急発進・急停止に注意して1ヶ月運転をしてみてください。きっと水揚げは落ちませんよ…」と話し、 Aさんはそのとうり実行してみると上山先生の言うとうりだった。
 先生によると「Aさんは今までは事故を起こしていないが統計的に見るとまさに事故予備軍で何時事故を起こしても不思議ではない」と言われた。 Aさんは少しでも多く稼ごうと一生懸命だったのだろうが、危険と背中あわせの状態で運転していたわけである。

 広辞苑で“間”をみてみるとその中には 「日本の音楽や踊りで初期のリズムを生む為の休拍や旬と旬との間隙==転じてリズム感」「ほどよいころあい、おり、しおどき、めぐりあわせ,・・・・・」等が書かれている。
 また、心理学の池見 陽先生の著書に“間をおく”についていろいろ書かれている。
その一部であるが、気がかりな事柄があった場合、どんな雰囲気を伴っているかをみてみると良いらしい。
「イライラする」とか「腹が立つ」とか「ワクワクする」などの雰囲気に触れてみる。そしてその事柄と雰囲気をどこかに置く…置き場所を変えてみると良い と言っておられる。
 重たい荷物をもってハイキングにでかけ、山の斜面を登っていくと、だんだん疲れてきて 荷物がより重く感じられてくる。そういう時、休憩して、いったん荷物を降ろしてリラックスすると荷物は以前より軽く感じられるかもしれない。 けっして荷物を〔捨てる〕ことや置き忘れる」事ではない・・・・“間をおく”ことの大切さを言っておられる。
 (先生は事故の事を言っておられるわけではないが、心理的に通ずるものを感じる。)
 人間 弱い生き物であるから、そうは思ってもなかなか実行が伴わないものである。
デジタルタコグラフに心の動揺や事故を予知する信号が表示され、事故を未然に予防する事に寄与できたら良いなあと思う次第である。
 “間”の取り方が運命を左右する。“間ちは 待ちに通ずる。”


第1稿 「“待ち”の心理考 」 も読んでみる

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大庭 康作(おおば こうさく)

元矢崎総業株式会社常務取締役
本籍 静岡県 父の関係で大阪に生まれるも疎開で静岡に戻り育つ。
矢崎総業(株)に入社後、工場・営業・事業本部等(異なった事業部を含め)
 “社内転職”をし2000年9月定年退職した。
退職までは計装本部(タクシー・タコグラフその他)に在籍した。
目下、自由を楽しみながら新しい事にチャレンジ中。

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大庭 康作(おおば こうさく)

世の中の大きな変化の中でシニアパワーを全開し、おおいに楽しみたいと奮闘中。