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ワイはクレーマーではないが前稿に続き又、某怠慢輩ヤタケタ警察署の話である。 時は平成16年1月10日、草木も眠る丑三つ時、午前0時50分。入庫しようと大阪市内輩ヤタケタ警察管轄内道路を走行していると、ホースバンビ交番横交差点付近にて浪花の夜風をふるわせて響くは山鹿流儀の陣太鼓なみのけたたましい騒音。しかも一打ち二打ち三流れ、思わずハッと窓をあけ、耳を澄ませて爆音数え、 「おぉぉぉぉ、正しく師走の折りのアホ馬鹿暴走の討ち入りじゃ!」 と返り討ちにあわすのは此の時ぞ、もしやその中にあの時深夜に逃げたアホ馬鹿青少年が居りわせぬか、名前はなんと今一度、シバキ上げたいものと、…けいこ襦袢に身を固め、段小倉の袴、股立ち高く取り上げて、白綾たたんで後ろ鉢巻眼のつる如く、なげしにかかるは先祖伝来、俵弾正鍛えたる九尺の手槍を右の手に、時を過した真夜中に、タクのドアを開けて一足表に踏み出せば、天は幽暗地は凱々たる白雪を蹴立てて行手は大阪府警輩ヤタケタ警察署ぉ~! …と4台の原チャリ二人乗り無ナンバーバイクがウエちゃんの前を低速で走行して邪魔をする。ホースバンビ交番々勤署員は見て見ぬふり。頭に来たのでバイクの前へ回りこみ、こいつらの走行妨害をしながら輩ヤタケタ警察署前まで誘導する。輩ヤタケタ警察署前で所轄警察署員へ引き渡そうと車から降りてもみあいになる。輩ヤタケタ警察署前には『防犯実施中』と書かれた大きな提灯が下がっているが立番署員は誰一人として居らず。 「こらぁ~!ポリ!誰か出てこんかぁい!」 と大声で呼ぶが動きなし。ここ輩ヤタケタ警察署一階はほぼ全面ガラス張り。一階、地域課と交通課からは外の幹線道路の様子は丸見えのはず。原チャリバイクはウエちゃんを振切って必死で逃走! 輩ヤタケタ警察署内に入り、 「こらぁ!交通課、地域課、お前らなにをしとんねん!」 とウエちゃんが大声出すと歳の頃なら三十前後の若い革ジャンの兄ぃちゃんが、 「ワシは刑事やぁ!刑事課やぁ!」…と言ふ。 「こらぁ、お前、いま見とったやろがぁ!ボケェ!捕まえんかぁい!こらぁ!ぼけぇ!」 と革ジャンに食らいつくと横にいた刑事らしきオバはんが、 「あんた誰?なにモン?」…と聞いて来た。 「タクの運転手やぁ、それがどないしてん?こらぁ!一応、高額納税者やぁ!」 というとオバはん刑事(デカ)が、 「個人?法人?」…と聞いて来る。 「おいこらぁ、オバはん!個人タクと法人タクやったら、なんか扱いがちゃうんけぇ?よぉ!」 とウエちゃんが署内で大声をあげると必死で話を逸らそうとするオバはん刑事(デカ)。 「ほんで、あんた、何があってん?」…と革ジャンが聞いて来た。 「なにぃ、こらぁ、われぇ、見とったやろがぁ?お前らホンマに健全な高額納税者の府民、市民、区民を守る警察けぇ?こらぁ!」 と恫喝すると革ジャンは、 「もし捕まえてなぁ~んもなかったらどないすんねん?世間は五月蝿いねん、人権、人権、言うてなぁ!」 と宣ふ。 「お前、頭がおかしいんか?それとも人事赤字が恐いんか?こらぁ!」 と横山やすしか、やしきたかじん、桂ざこば状態のウエちゃん。 「何が…?アンタ誰に言うてんねん!」 とエラソォ~な口ぶりの革ジャン刑事(デカ)。 「原チャリに二人乗り、ナンバープレーと無しで走っといて何の犯罪でもないんか?こらぁ!殺したろぉかぁ!」 と怒り心頭のウエちゃん。そして下を向く革ジャン刑事(デカ)。 「街を暴走するガキに人権があって、タクシー運転手には人権がないんかぁ?こらぁ!」 「………」 「もぉ、えぇわ!お前ら警察には今後一切何の協力はせぇへんどぉ!警備にも言うとけぇ!」 と言うと、警備という言葉に顔色が変わった革ジャン刑事(デカ)。 「それからなぁ、あの事も世間にバラすでぇ!えぇな?」 「なんの事ですか?」 と突然、人権のないタクシー運転手に敬語を使う革ジャン刑事(デカ)。 ………、 一昨年の夏、輩ヤタケタ警察署管轄内の路上で客に扮していた強盗に首を絞めらていたタクシーを見つけ、ウエちゃんがそのタク強盗を半殺しにして輩ヤタケタ警察署へ引き渡した話は『WEB本の雑誌』の連載で書いた。この話の詳細は、版権がWEBサイトの運営をしている広告代理店の博報堂と、出版社である本の雑誌社にあるので詳しくは書けない。 しかし、この時の警察の対応にも腹が立つ。命を掛けてタクシー強盗を捕まえたのに褒美は何もなし。調書作成で夜中に3時間も刑事課にいたのに褒美はなし。いやいや、よぉ~く考えると褒美はあった! 「ほな、ご苦労さん!」 と五百円のテレカを一枚、戴きました。ありがとうございます。どっかのタクシー運転手の命を助けた上に我が身を挺して強盗を捕まえて、深夜数時間も拘束されてテレカが一枚。おありがとぉ、こぜぇ~ますだぁ。ワシのタク仲間の運転手なんか同じ所轄管内での当逃げの車のナンバーを覚えていただけで、輩ヤタケタ警察署長から大阪府警本部長表彰を貰ったそぉだぁ。その後、大阪タクシー協会御方様から善行運転手で表彰されたらしいですわぁ。この違いは一体なんなんでごぜぇますかねぇ…?大阪府警本部長様?
………、 これより一年ほど前、タクシー運転手仲間たちから相談を受けた。ちょうどプロの物書きとしてのウエちゃんのデビュー作『笑う運転手/ウエちゃんのナニワタクシー日記』(本の雑誌社)が発売され、マスコミ報道各社からの取材が殺到してブイブイ言わしていた時期である。タク仲間もその辺りの事を分かっていてウエちゃんに助けを求めて来たのである。 タクシー運転手仲間の相談は、 「地元の部屋住みチンピラ・ヤクザがミカジメを要求している!」 と言うのだ。 「よっしゃ!よっしゃ!」 と引き受けて翌日、大阪府警輩ヤタケタ警察署二階刑事課へ。 最初は若い刑事と話をするが、 「お前らタクもどこへでも止めて客を待っとるんがアカンねん!」 と全くラチがあかない。極道がミカジメを要求するんが当たり前のような事を宣ふ。 「こらぁ、おどれぇなにぬかしてけっかんねん!」 とウエちゃんが大声を上げると奥からやっと古参刑事(デカ)が出てきた。 「まぁ、まぁ、まぁ…」 と刑事もんのテレビドラマでよくあるシーンである。 「こんど組へ行ったら、ワイのほぉ~から、ょぉ言うときまっさかいに、今日はそぉ言うことで…」 と古参刑事は言うのだが…? 「そぉ言うことぉ…?どぉ言うことやねん?」 とウエちゃんが古参刑事を睨み付けると、古参刑事も独特の鋭い目付きでウエちゃんを仰視して、「そぉ言うこと言うたら、そぉ言うことですわぁ!」 と長椅子にふんずり返る。 「そぉでっかぁ、刑事さん!ほんなら地域住民あげて暴力団追放運動をしまひょかぁ?なんでか知らんけどこの区はヤクザがウロウロしてんのに極道追放運動が一切ない区やからなぁ!なんで無いんやろぉ?けったいな街でんなぁ、刑事はん?なんか理由がありまんのん?」 とウエちゃんが言うと古参刑事は、 「ははははは!それは辞めとったほうがぇぇでぇ!」…と言う。 「なんでやねん?」…とウエちゃんが聞き返すと、 「相手は極道やねんから、アンタの命の保証はないでぇ!」…と古参刑事。 「命の保証?こらぁ!善良な市民、区民の命を守って保証するんが警察とちゃうんけぇ!」…とウエちゃん。 「ははははは!そらぁ、無理やぁ!所轄管内で7万人以上も住民がおんねんでぇ、アンタ一人の為にはいごけん(動く…の意味)でぇ!」 どうも輩ヤタケタ警察署は暴力団追放運動がめっぽう嫌いらしい。それなのに何故か夏休みになる前には小中学校の講堂や体育館で『非行防止の集い』とか言うヤラセの集会だけはやっている。しかしその集会でも非行の温床となっている極道追放話は一切出ない。 「みなさん、夜は徘徊せずに良い子で早くねましょうね!」 と言うだけである。 この街は、道交法違反、威力業務妨害、脅し、ミカジメ強要…の輩には人権があり、タクシー運転手には人権が無いらしい。まこともってけったいな、大阪バイスな街なのである。
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●ウエちゃん
タクシー運転手と文筆の二足の草鞋を履く大阪のタクシー運転手 著書・・・ 『笑う運転手/ウエちゃんのナニワタクシー日記』 『国道の西、夜明けのミナミ/ウエちゃんのナニワタクシー日記』 (両著とも…本の雑誌社より刊行)
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