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ウエちゃんのタクシー日記/場外編  - ウエちゃん

53稿 「TVの取材は、か、か、堪忍なぁ~!」 2003.12.25

ウエちゃんは一応、月刊書評誌の本の雑誌社の関係者だ!
…と書くとシ~ナ編集長や発行人の浜本、顧問の目黒(北上次郎)さんから、
「君ねぇ、いつから関係者になったの?」
 と言われそうやけど、本の雑誌社作家一覧に名前を連ねているのだから、許せ、許せ!わっははは!
http://www.webdokusho.com/kanko/list.html/

…と言う事で今年の印象に残った本を数冊紹介します。
『新!おきなわキーワード』(はぁぷぅ団/ボーダーインク)
『関西フォーク70’Sあたり』(中村よお/幻堂出版)
『ほんまに…どないなっとんねん』(玄月/ポプラ社)
『さてみなさん聞いて下さい』(浜村淳/西日本出版)
『大阪人…各月号』(大阪都市協会)
『武富士 対 山口組…激突する二つの最強組織』(木村勝美/イースト・プレス)
『お笑い男の星座2』(浅草キッド/文藝春秋)
『マンガ・金正日入門…北朝鮮将軍様の真実』(李友情/飛鳥新社)
『金正日の料理人…間近で見た権力者の素顔』(藤本健二/扶桑社)
『創価学会インタナショナルの実像…池田会長が顕彰を求める理由』(段勲/リム出版新社)

 全国的に有名な沖縄の出版社であるボーダーインクの『新!おきなわキーワード』…は観光本には出ていない沖縄の裏事情が辞書形式で満載。世界一大好きで世界一嫌いな沖縄…と言いつづけているウエちゃんにはむっちゃ参考になる本やねぇ。晩夏の9月にボーダーインクの編集部が研修旅行で大阪へ来て、ウエちゃんが運転するジャンボタクシーで大阪の観光したから、晩飯を奢ってもらったからと言って持ち上げるつもりは…ちょっとだけある。(なんやぁ、あるんかいなぁ!…とここでつっこむ!)へてから、ボーダーインク編集長の新城和博があの、あの、あの、夏川りみと個人的に親密な関係があるからと言って誉めているのではない。あっ!…新城、す、す、すまん!書いてしまった! 金正日関係本は、未だに関西のタクシー経営者やタクシー運転手に多く棲息し、金日成や金正日を生神様の様に崇拝する輩を撃退する為の参考本。
 創価学会関連本は普段は赤い腕章を腕に巻き、赤い旗を振って組合活動や動員、オルグに参加しながら陰で得体の知れないお題目を必死のパッチで唱え、伊藤律や徳田球一も知らない皮相浅薄なタクシー運転手や各労組単組幹部の輩を総括する為の参考本。

 2003年11月20日(木曜日) 曇/最高気温…19.3℃
 前日の夜に在京テレビ局A社報道部の突撃記者が又々々、「大阪へ来ているので逢いたい!」…とのメール連絡が入る。
「こちらは全く絶対に逢いたくない!」…とお断りするとちょびっとしてから、
「明日の深夜に別取材で関西空港へ行きたい、取材が終わって直行で大阪市内のホテルへ帰りたいのですが?」…という連絡が、
「ふぅ~ん!ほんで?へてから、それがどないしてん?」…とウエちゃんが聞くと、
「知らない土地で全く知らない運転手さんより知った運転手さんの方が、気が楽ですから…」…と突撃記者は言うねんけど、まだ2回しか(それも嫌々)逢ってへんのやけど…?
(夜中に大阪市内から関西空港の往復かぁ…むむむむむ!)…とちょっと心が動くが、逢いたくないもんは逢いたくない!ワイの返事は唯ひとつ!これしかない!
「ほんなら、何時にどこへ迎えに行ったらえぇん?」
 …と言う情けない事で本日は昼も夕方も夜も全く仕事はせずに深夜になるのを待つ。
 午後11時過ぎ、報道突撃記者指定のホテルへお迎え。
 数分待って報道突撃記者が現れる。まずはボディーチェックと持ち物検査。関西空港へ着くまでは取材用のデジタルムービーカメラと、ジャパネットたかたの金利手数料無料の通販で買ったと見られる長時間用のICレコーダーはワイが没収。
 日付が変わり午前0時過ぎに関西空港ヘ到着。取材用品一式の没収品を突撃記者に返し関西空港で待機。もうすぐ草木も眠る丑三ッ時やのにタクシープール(タクシー待機P)ではタクシーが夜を明かして待機している。ジャージ姿の運転手や、朝日があたる側の窓に綺麗に日除け止めの新聞を貼ったタクシーに報道突撃記者は非常に興味津々。突然に報道突撃記者はタクシープールへの突撃取材を敢行!
「ジャージや下着姿で毛布に包まって寝ていますね?凄いですね?」
 と東京から来た突撃記者は感動の魅入りやねんけど、関西空港の待機タクシーは普通で5時間~10時間待ち。酷い日なんか20時間待ちもザラやねんから、そんなんなぁ~んも珍しい事なんかあらへんやんけぇ!ここは数年前、あまりの客待ち時間の長さに身内博打にはまり、運転手同士の刃傷事件があったという噂もある有名なタクシー待機場でもある。
 在京テレビ局の報道突撃記者の取材も無傷で終わり面白くなく大阪市内へ帰る。
 本日のウエちゃんのタクシーのお仕事はこれ一回だけ。しかし全走行距離に対する実車率は80%を超えた。10年近いタクシー運転手人生の中で最高記録の実車率を達成!万歳!万歳!

 2003年11月21日(金曜日) 曇/最高気温…21.1℃
 ワイのお仕事はタクシーという動く密室の恐~いお仕事。誰がどんな奴が運転しているか分からないので乗客も不安やけど、誰が乗ってくるかも分からへん運転手の方かて不安である。
 今年も用心の為に毎年恒例のインフルエンザの予防接種。痛い!高い!毎年、接種後に体調を崩すのでお仕事は休み。今年も例年と変わらずインフルエンザの菌が体内で大暴れ!発熱と超~下痢ピィ~。もぉ~、ダメ。インフルエンザの菌を殺す抗生物質を飲みたい…。これでこの冬に別のインフルエンザに看ったらワイが病院で大暴れするでぇ!
 怒っこるでぇ、しかし…(←横山やすし風に)

 2003年11月23日(日曜日/勤労感謝の日) 晴/最高気温…14.0℃
 本日は毎年恒例の勤労感謝の日!俗に言う旗日。
 毎年、毎年、同んなじ台詞で大変に申し訳ないねんけど…本日の勤労感謝の日!どこでも立小便をして、ゴミや煙草を捨てる世間の嫌われモンのタクシー運転手は誰にも勤労を感謝されへんので、本日も午後からタクシーのお仕事をする。
 いつもの大阪市港区の天保山(正式には大阪市港区海岸通らしいのだが?)にある海遊館から続けて5回ほど2キロ弱先にある海遊館の臨時駐車場へ。この時点で既に労働意欲がなくなり拗ねて拗ねて拗ねまくる。高松から小豆島の土庄、坂手、神戸を経由して入ってくる船の時間までには2時間以上あるねんけど江戸時代から続く歴史ある天保山の桟橋へ。
 げっ!なんいでじゃ?もう既に5台も待機している。…と言う事はどぉ考えてもワイは6台目やんかいさぁ。どやさぁ!
(こいつらこんな2時間も前から来てアホちゃうかぁ?)
 と思ったが、落ちついて考えたらワイもそのアホの一員やった!ははははっ!糞大笑い!
 秋の行楽シーズンとあって小豆島の寒霞渓(かんかけい)は紅葉狩りの真っ最中。小豆島からの行楽帰りの客が、ドカドカドカッ!…と乗り込んで来て大阪は西の端の築港から、大阪は東の端の大東市を経由して四条畷(しじょうなわて)市まで。
 さてさて大東市や四条畷市がどこらへんか知らへん人が多いと思いまんねんけど、野崎参り(野崎観音/大東市)で有名な野崎さんが近所ですわなぁ。(←ここから桂米朝風に…)
 往年の大スタァの高田幸吉さんが頭に手拭を乗せて唄う『野崎小唄』の、
♪野崎参りわぁ~ 屋形船で参ろうぉ~♪
 と唄ったあの野崎さんですなぁ。
「お前はアホかぁ!誰がホンマに喧嘩せぇちゅ~うねん。
昔から日本の三参りちゅ~うてやなぁ、京都は祇園さんのおけら参り、
四国の讃岐の金毘羅さんは鞘橋の行き違い、ほんでこの野崎参りやぁ!
この三つだけは、何ぼ口で喧嘩したかて手ぇひとつ出さんという、口の喧嘩やぁ。
口喧嘩に勝ったらその年の運がえぇ、運定めの口喧嘩をやれっちゅうんやぁ!
…と、わぁわぁと言ぅとります、おなじみの野崎参りでした!」
 と言う上方落語の件(くだり)でお馴染みの『野崎参り』でも有名なとこでんなぁ。
 ほれほれ文楽で有名なお染め、久松の塚もここにありまんねん。野崎小唄の二番の歌詞にも、
♪野崎参りわぁ~ 屋形舟で参ろうぉ~ お染め久松切ない恋に 残る紅梅九作屋敷 今も降らすか春の雨♪
 というんがありまっせぇ。ホンマに歴史溢れる街ですなぁ!(桂米朝風終わり!)
 しゃあけんど、ほんまに2時間も船が来るのを、ボォ~~~!…と待っとってて良かったぁ!長距離が出たんで本日の仕事はこれにて打ち止めぇ!
 タクのお仕事は欲をこいたらロクな事がおまへん。スキ~やスノボ~、サ~フィンと一緒であと一回が命取りでつせぇ~!

 2003年11月26日(水曜日) 晴/最高気温…17.5℃
 適当にタクの仕事をして深夜に帰るとトラモンド社からの原稿の書き直し依頼が…ううぅぅぅ!本日はタクのお仕事は休みなので午前10時頃迄、指摘された箇所のトラモンド社の原稿の書き直しをしてメールに添付して送稿して、倒れ込むように寝る。はっ!…と起きてテレビを点けたら画面に筑紫哲哉さんが…!?げっ!おょょ!
 在京テレビ局のしつこい報道突撃記者から「大阪に来ているのですが」…というメールが昼過ぎから数回着信している。そんなん言われたかてワイは、ずぅ~~~と寝てたんやから。
 知らん!知らん!シッ、シッ!
 テレビに出たい糞大法螺吹きのはったりタクシー関係者はナンボでもいてるやろぉ?

 2003年11月27日(木曜日) 曇/最高気温…17.2℃
 夕方近くにに出庫して海遊館へ。2時間ほど待ちで最初から阪神高速に乗って東大阪へ。わっはははははは!おょょ!これで労働意欲の線が、プッツン!…と音を立てて消えて行くのが聞こえる。 夜に帰ってPCを開くと突撃記者からメールが…無視、無視!シッ、シッ! 

 2003年11月28日(金曜日) 曇/最高気温…18.3℃
 本日も出庫が遅くなり海遊館へ並ぶ気もせずに直接に天保山の桟橋へ。船が着く1時間前やねんけどまだタクシーは誰も来ておらずトップで余裕の睡眠へ。15分ほどウトウトしていると尿意が。我慢して尿道結石になったら痛いので船客待合室のトイレへ行こうとタクシーから出ると、
「おはようございます!」
 とニコニコ顔で報道突撃記者が立っていた。
「どないしたん?まだ、大阪におったんかいなぁ?ジブン、経費の無駄使いとちゃうかぁ?」
 とウエちゃんが怪訝な顔でふると、
「もう、取材は諦めました!東京へ帰ります!」
 と海千山千の報道突撃記者も降参の模様。
 これで東京へ帰らせたらあんまりにも可哀想やさかいに報道突撃記者の経費を使い、堀江(西区)のオムライスの北極星で大盛オムライスとフライドチキンを二人で仲良く食す。まいぅ~!
 もぉ、二度と逢う事もないと思うねんけど、在京某局報道部の突撃記者君!頑張ってやぁ~!報道特別番組のエンドロールに、それも最後の最後に大きく名前が出るんを楽しみにしてるでぇ!


ウエちゃん

タクシー運転手と文筆の二足の草鞋を履く大阪のタクシー運転手
著書・・・
 『笑う運転手/ウエちゃんのナニワタクシー日記』
 『国道の西、夜明けのミナミ/ウエちゃんのナニワタクシー日記』
                    (両著とも…本の雑誌社より刊行)

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