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又々、大阪のタクシー運転手名物でお馴染みのしゃぶり屋(チャブリ屋とも言う)が総勢11人も大阪府警天満署に摘発され大阪地検に送検されましたなぁ。今回の摘発場所は数年前に社会的大問題として報道各番組を賑わし摘発された前回同様の北新地の同じ場所でしたなぁ。今回の摘発・送検はシャブリ行為だけではなく偽造ハイカの販売譲渡、偽造ハイカと知りながら所持していた罪状もも含まれてますねん。一部の報道では氏名が好評されたがいつもの事ながらタクシー会社名の公表はおまへんでした。なんでやろぉ? 大笑いしたんは個人タクシーの発表でんなぁ。吹田市、淀川区、西淀川区の個人タクシーは発表として納得しまんねんけど、首を捻ってしまうんは住所不定の個人タクシー運転手(57歳)やねぇ。住所不定の個人タクシー運転手…?…ん?なんじゃ? こんな輩が出て来ると必ず各メディアはウエちゃんに質問を寄せて来はりますが、取材は全てお断りいたしますので、か、か、か、堪忍なぁ~! ウエちゃんも海千山千のタクシー運転手の色々な情報は知ってまんねんけど、そぉ簡単には最後のカードは出せまへん!各メディアの方々は怒らんといてねぇ。事件情報は自分の足で集めましょう。 2003年11月4日(火曜日) 曇のち晴/最高気温…20.7℃ 深夜、仕事をする気がしないので客がいそうにない大阪市内某大規模団地(人口約1万人)前で待機。こんな夜中にここからお客さんが乗って来る事はない。もし来たらアンラッキ~!来なければいい休憩になりそのまま入庫!…と思いながら鼻クソをホジホジしながら恍惚に耽っていると、団地正面方面から千鳥足のオッちゃんが歩いて来た。 (あちゃ~、来るな!来るな!あっちへ行けぇ!) と思う、ウエちゃんの気持ちに逆らうようにオッちゃんはどうみてもこっちに歩いて来ている。 「運ちゃん、乗ってもえぇか?」 (嫌や!絶対に嫌や!鼻糞ほじりたい!)…と思いながらも乗車拒否になるので、 (近距離をお願いしますぅ!)…とタク神さん(注・タクシーの神様)に念じながら、 「はぁ…、どぉぞ!」…とドアを開ける。 行先を心ときめかせながら聞くと大阪府下南部の町やった!ショック!本日は心の底からタクの運ちゃんへの労働意欲がない日なのに…とほほほほ。 「すまんなぁ、運ちゃん!」 「いやいや、何を言うてますねん!ワイらはこれが商いやさかいに、がっははは!」 と作り愛想大笑いをしながらも、本音はこのお客さんの首を絞めたい気分。 「ここの団地の友達んとこへ車で来たんやけどなぁ、飲まされてなぁ!」 「あっ!お客さん!ほんなら代行呼びましょか?代行運転!」 「あれはえぇわ!前に呼んだら車を擦られてなぁ!」 「はぁ~、さよかぁ!」 と言う事で労働意欲ゼロのタクの運ちゃんは実車釦をポテチンと押して出発。 近所の阪神高速のランプから乗ろうとするとオッちゃんが、 「阪神高速はこれ使ぉてぇ!」 と肩を叩く。 高速券かと思い振り返って受け取ると一枚のカード。 「はぁ?これ、なんじゃ?」 と思いながら暗闇でカードをよく見るとカードには『ETC』の文字が!へぇ?なんじゃ? 「お、お客さん、すんまへん!ウチのタクシーにはETCの機械は付いてまへんねんけど?」 と聞くとオッちゃんは、 「はぁ?運ちゃん何を言うてんねん?」 と驚いている。 なんのこっちゃ?ウエちゃんにもさっぱり分からへん。 乗客のオッちゃんの話だと、 「ETCの機械が付いてへんんでもETCカードを料金所のオッちゃんに渡すと、料金所のオッちゃんは料金所に備付けている端末にカードを差し込んでETCの割引料金で精算できるから、不便の反対なのだぁ~!」 とバカ田大学出身のバカボンのパパみたいな事を言っている。 (ほんまかいなぁ?初耳やでぇ!テンゴ(大阪弁で冗談の意)とちゃうかいなぁ?) と思いながら、阪神高速の料金所ランブのオッちゃんにETCカードを渡すと、料金所のオッちゃんはタクシーからETCカードを渡されたので一瞬引いたが、今までに見た事が無い異常に横長の領収書とETCカードを返された。 ホンマやった!皆さん、知ってはりましたか?
2003年11月5日(水曜日) 晴のち曇/最高気温…23.6℃ 本日も体がだるくてタクの運ちゃんの仕事をする気がしない。ひょっとしたら男の更年期障害か…?仕事なんか嫌なのに最初から2000円、3000円の中距離が5回連続で続く。むっちゃ気持ちが悪い!ひょっとこいたらタク神様がウエちゃんの諸行をお試しかも?…と早めに業務終了。こんな日は欲をこいて仕事に深入りすると事故に遭ったり、スピード違反で捕まったり、オカマの客に迫られたりとロクな事がない。タクの運転手人生が本日で終わる訳とちゃうのでこれでよし!
2003年11月8日(土曜日) 晴/最高気温…23.0℃ 暇な土曜日やった!日付も変わった!JR環状線の最終電車も出た。いくら大都市のとはいえ土曜日の深夜は人が全くいてへん。25時頃に若い女の子が二人乗りこんで来た。 「オッちゃん、もぉ環状線はあらへんねんなぁ?」 と一人の女の子の方が聞いて来た。 「はははっ!もぉ、とっくに終わったでぇ!どこまで帰るのん?」 とウエちゃんちゃんが聞き返すと、 「どないしょ?」「ほんまやなぁ!」 と二人の女の子は困った様子である。 「どないしたん?」 と日本一親切で優しく男前のタクシー運転手のウエちゃんが尋ねると、 「堺のヤタケタ町はナンボぐらいするん、オッちゃん?」 と眉毛を八時二十分にして困った顔付きで言うではないか。 「そぉ~やなぁ、6千円ぐらいとちゃうか?」 とウエちゃんが指折り数えて必死で苦手の足し算をして教えてやると、 「えぇ~~~!どないしょ?5千円ならなんとかなんねんやぁ!助けてぇ、オッちゃん!」 と色っぽく迫ってくる。 「オッちゃんとこのタクシーも5千円を越えた分が5割引やさかいに、超えた分はこの男前のオッちゃんがおごったるわぁ!任っかせなさぁい!」 と約束してしまった。超極暇な土曜日に5千円の仕事は有難い! 「ホンマ!おっちゃん、嬉しいわぁ!よっ、オッちゃん!男前!石塚かパパイヤ鈴木にそっくり!まいう~!」 「なんでやねん!」 とワイワイ、ガヤガヤ言うてるうちに目的地に到着したんですな。 運賃メーターを見ると、おおぉぉぉ!…5310円。 「ほんなら約束やさかいに5千円でえぇわ!」 とウエちゃんが言うと、 「オッちゃん、ほんまにえぇのん?悪いなぁ、おおきにぃ!助かるわぁ!」 と一万円札を出して来た。 …?…なんで?…意味不明?
2003年11月11日(火曜日) 雨のち曇/最高気温…16.9℃ 本日はタクシー業界誌『トラモンド』の2004年特別号別冊原稿の〆切り日。ホンマは昨日が〆切りやったんやけど本日に日延べをしてもらい脱稿!原稿をメールに添付して送付。辛口業界誌で売っている会社なのに今年の原稿は柔らかくなってしまった。なんとなくダメ出しの予感が漂う。来年の1月下旬には発行予定。1冊五千円前後です。タクシー業界の知られざる暗部に興味のある一般の方は買って下さい。日本のタクシー会社はほぼ全社が必ず買う事になっています。タクシー業界版『噂の真相』のような本です。執筆関係者のワイが生きている事がタク業界の七不思議らしい。 夕方、在京テレビ局のA社の報道番組からの取材依頼。大変に生意気で申し訳ないが、お断りする。
2003年11月13(木曜) 曇/最高気温…16.3℃ どないなっとんねん?タクシー業界に何があったんやろうか? 在京テレビ局のB社からも報道番組への取材依頼。これも断腸の思いでお断りする。世の中には取材を受ける側が大枚のカネを出してまでテレビに出たいタクシー会社や、タクシー経営者がいるのに出たくないタクシー関係者にこんな話が舞い込んで来る。ホンマに困った事や!何か人生のターニングポイントの選択で間違った方向を選んだ気がしてならない。知人の芸能プロダクション幹部に相談。「まぁ、売り出し必死のアイドルタレントとちゃうねんから、それでえぇんとちゃうかぁ?」 との回答で一安心。…か?
2003年11月15日(土曜日) 曇/最高気温…21.4℃ 本日の話は午前0時を過ぎた所から始まる。昨日の金曜日が休みで自宅で原稿をPCに向かい打っている、突然にPCにメールが。在京テレビ局A社の記者からだ。大阪に来て色々なタクシー運転手に聞き、ウエちゃんの会社を探し当てたらしい。深夜にウエちゃんの会社まで来たが休みだったのでホテルにいるから連絡を欲しい!…という勝手千万なメールである。しかし、他人の事をペラペラ喋るタクシー運転手もどうかと思うのだが…。ちょっと前にウエちゃんを訪ねて来た初見の乗客に、調子に乗ってウエちゃんの自宅を教えた糞馬鹿個人タクシーがいたが、こいつらには他人のプライバシーと言う概念は無いらしい。 午前1時過ぎ…突撃記者が投宿しているという西梅田のホテル近くで路上に正座をさして延々と説教をする!午前5時帰宅…なんか今晩の予定が大幅に狂う!午前8時に就寝して午後1時起床。午後2時に出社して午後2時30分出庫。タクの運ちゃんに変身。午後3時過ぎ天保山にいると突撃記者が現れる。 「シッシッ!」…とウエちゃんが追い払うが、 「取材しようと待ってたのですが、局に帰る急用ができまして、新大阪まで乗ってもいいですか?」 と聞いて来た。 「あっちへ行けぇ!…言うてるやろがぁ!こらぁ!ボケェ!…ん?今、何言うた?新大阪駅か?」 「はい、新大阪駅なんですが…取材拒否だからやっぱりダメですよねぇ?」 「………ん?」 「じゃ、他のタクシーに乗ります、すみません!」 「ち、ち、ちょっと君ぃ!男前の記者君!待ちなさい!フリ~ズ!新大阪駅やねぇ?」 「はい、そうです!ちょっとぐらい遠回りして貰っても局の経費で落ちますから…」 「乗りなさい!ビシバシ乗りなさい!ははははははは!」 金色夜叉(尾崎紅葉)のお宮さん気持ちがよく分かる浪花のタクシー運転手のウエちゃんでした。
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●ウエちゃん
タクシー運転手と文筆の二足の草鞋を履く大阪のタクシー運転手 著書・・・ 『笑う運転手/ウエちゃんのナニワタクシー日記』 『国道の西、夜明けのミナミ/ウエちゃんのナニワタクシー日記』 (両著とも…本の雑誌社より刊行)
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