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ウエちゃんのタクシー日記/場外編  - ウエちゃん

51稿 「胃が…胃が…胃が痛い!どやさぁ?」 2003.11.05

とてもとても悲しくて切なくて遣るせないお話。
 ご存知の通り『WEB本の雑誌』( http://www.webdokusho.com/)…のウエちゃんの連載が第132話を持って終了いたしました。3年間の連載でしたが色々とご購読いただき、又、その中からの話を厳選した拙著2冊を御購入頂いた皆様には心から感謝いたします。
 今後はどのような容になるかは不明ですが一応、版元に拘束力がある任意引退選手でもなく、10年A級選手のフリーエージェントでもなく、お前勝手にしろ!…と言う自由契約選手ですので、もし手を挙げて頂ける方がいらっしゃいましたら喜んでお話は聞かせていただきますので宜しくお願い致します。
 1年は約50週強。3年で約150週です。そのうち132話もタクシー関連の話が書けた事を喜びと感じております。皆勤には程遠かったのですが精勤という事で満足しております。尚、月刊書評誌の『本の雑誌』の三角窓口にはこれまで通り、世間では想像がつかないWEBサイトには書けないタクシー業界のドロドロの真実を書いて行く予定です。機会が御座いましたら書店にて『本の雑誌』をご購入下さい。
 素晴らしく嬉しい痛快快挙なお話。
 東京の夜の街をひた走る真空管アンプ搭載のジャズ・タクシーとして日本一有名な個人タクシーの安西さんが( http://homepage2.nifty.com/jazztaxi/ )、11月15日夜、19時30分からのNHKの土曜特集にタクシー運転手の代表として出演します。是非、皆さんご覧下さい。
 これは快挙です。今の現状ではNHK東京局に個人タクシーが出演すること事態が大変な出来事なのです。過去にNHKと個人タクシー、その個人タクシーに群がる暴力団関係者の問題で嫌な事件があった事はご承知だと思います。(知らない人は放っときます…)そんな嫌な事件を吹き飛ばしての安西さんのNHK出演は大事件なのです。安西さんはタクシー界の記憶力の達人として出演するそうです。…ん?記憶力の達人?なんとなくちょっと心配ですが皆さん、テレビの前で応援いたしましょう。
 その安西さんがモデルになりオール読物に登場した『池袋ウエスト・ゲート・パーク物語4』(石田衣良・著/文藝春秋社・刊)が11月に単行本として刊行される予定です。息子の仇を討つ真空管アンプ搭載の頭と髭が白髪ジャズタクシー・ドライバー南条は安西さんがモデルです。尚、話は勿論、フィクションです。ホンマもんのジャズ・タクシーの安西さんは息子の仇は討ちません。

 2003年10月15日(水曜日) 晴/最高気温…21.4℃
 深夜2時過ぎに自宅へ帰り『WEB本の雑誌』最終回(第132話)の原稿を朝まで執筆。とうとぉ、最終回の時が来た。これからどうなるのかちょっと不安が残るが気を取り直して原稿をメールに添付して送稿。本日の更新で3年間の連載が終わる。年末年始もゴールデンウィークもお盆期間も世間の休みを横目で見て書き続けた連載原稿の最終回だ。感慨深いものがある。
 一つだけ心残りなのは、誰にも言わず原稿にも書かなかったが、最初の単行本が出版される前の一番大事な時に父方の祖母が死んだ事である。葬儀にも参列せず墓参りも行っていない。これを機会に時間を取り、坂の町、文学の町、尾道の小高い山の上の尾道水道を見下ろす小さな寺の小さな墓に眠る祖母の墓参りには行こうと思う。
 祖母は作家の故・井上友一郎と縁戚関係にあり、…と言うことはウエちゃんも井上友一郎の遠い親戚と言うことになる。もっと図々しく言えば、ウエちゃんのDNAの中に井上友一郎のDNAが入っている筈なのだが…?そう言えば親父の弟も妹も若い時に井上友一郎を頼って作家を目指していた時期があった記憶がある。しかし志し半ばで叔父は早稲田文学部から防衛大学を経て自衛隊幹部に、叔母は教師になってしまった。

 2003年10月16日(木曜日) 晴/最高気温…21.7℃
 夕方、午後7時頃。浪速区から大正区の間の木津川に架かる大浪橋の上で飲酒検問実施中!へぇ~!…と思いながら通り過ぎようとしたら「こらぁ!タクシー待てぇ!」…と大声で止められ息を吐かされる。ちょっと前に晩飯後に焼酎を多量に呑んだタクシー運転手が事故を起こして逮捕された。本日は夕方のタクシー一斉飲酒検問らしい。運転免許を取得して29年。タクシー運転手になって10年。飲酒検問は初体験。嬉しいような恐いような。しかしこの飲酒検問、個人タクシーを優先検問したほうがいいよな気もするのだが…。

 2003年10月18日(土曜日) 晴/最高気温…22.6
 知人数人を介して嫌々頼まれ、北海道からやって来たピチピチ女子高校生の修学旅行の自由行動時間の大阪案内。ウエちゃんと女子高校生の間に数人が介在し、その上に連絡は全てメールで済ませたのが間違いの始まり。待ち合わせ場所にメモ用紙を握り絞めた女子高校生3人が現れた。ウエちゃんの顔を見るなり「あのぉ~、ねあがりさんですか?」…と聞いて来た。「はぁ?値上?…ですか?」…とビックリしていると携帯電話に貼り付けたウエちゃんの顔写真と目の前にいるウエちゃんを何回も見比べて「あぁぁぁぁ!やっぱり値上さんだ!宜しくお願いします!」…と言う。値上…?値上…?
この伝言ゲームは何処の時点で、誰の時点で名前が変わったんやろぉ?
 …と、書いてもこの話、ウエちゃんの本名を知らない人には全く面白くないのです。スンマヘン…。

 2003年10月20日(月曜日) 晴/最高気温…23.6℃
 本日は集中取材と打合せの日。本日の用件は2件。ちょっと淋しい。
 午後1時。朝日新聞大阪本社で社会部遊軍記者のT氏と待ち合わせて取材を受ける。朝日新聞の記者は、特に海千山千の社会部記者の頭の切れの良さにはいつも感心させられる。こちらも調子に乗っていらん事まで喋って、あっ!…という間に2時間が経過。
 午後4時。タクシー業界誌・トラモンド社にて来年発行の『2004年・日本のバス、タクシー』の打ち合わせ。本年発行の2003年版のお題は「ホームレスタクシー運転手」…と言う事で原稿もスムーズに進んだのだが今回のお題は中々難しい。卒業論文を思い出す。(卒論は何を書いたか忘れたけど…)さてさて来年版の小難しいお題、締切日までに原稿用紙20枚分が埋まるかどうかがめっちゃ糞心配である。(…と、遠回しに原稿が遅れる事をなにげに仄めかす…)しかし大作家の梁石日先生の後任として執筆責任を真っ当しなくてはいけない。2003年版の巻頭インタビューは元・建設大臣と運輸大臣を歴任した世の中に恐いもの無しの江藤隆美氏であった。ショート・エッセイ執筆者も桐島洋子、似倉弘平、町沢静夫、宮崎学、三好春樹、武田花、田中優子、寒川猫持、桂小枝、野月浩貴(以上、敬称略)の超豪華執筆者だった。2004年版の巻頭予定者を恐る恐る聞いたが…げっ!超々大物だ!胃が強烈に痛い!病院処方の『ガスター20』を朝夜と服用。ほんでもまだ痛い!

 2003年10月23日(木曜日) 晴/最高気温…21.0℃
 本日の海遊館は一年に数回あるかないかの超暇日。一回の待ち時間は6時間。素晴らしい!おかげで『大阪人』(大阪都市協会)7.8.9.10.11月号を一挙に読破。やっぱし読書するならタクシー運転手に限る。

 2003年10月25日(土曜日) 晴/最高気温…20.5℃
 本日、朝日新聞大阪本社版に4段抜き写真付きでウエちゃん掲載。しかし悲しいかなタクシー業界。漢字と難しい語句が多い朝日新聞。タクシー業界人で「読んだでぇ!」…と言う声を誰一人として聞かず。やっぱり出るんやったら大スポかな?(注・東京では東スポ)

 2003年10月26日(日曜日) 晴/最高気温…21.4℃
 いつもの海遊館で脳足りんタクシーのオッさんがあからさまな乗車拒否。このオッさん、いつも海遊館に来ているのに500mほど先の大阪税関を知らないと惚ける。こんな輩運転手は口で言っても理解しないので、いつもの通り体で教育的指導。こんなアホ馬鹿タクシー運転手に限って近距離は知らないが、一度も行った事がない地理不案内の長距離だと「ホイホイ!」…と言って絶対に行く筈である。こんなタクシー業界の恥さらしは一日も早く辞めていただくか、自損事故で二度とタクシー運転手が出来ない体になって欲しいものである。この糞タクシー運転手にウエちゃんが詰問した時は「場所分からへんねん!」…と惚けた。同じ会社の運転手が意見したら「前のタクシーが乗車拒否したからワイもしてん!」…と言った。結局、こいつは大嘘吐きなのである。嘘吐きは泥棒の始まり。泥棒は人殺しの始まりである。こんな大嘘吐きはタクシー業界全体で総轄しないと必ず絶対に、タクシー業界の大恥曝し者、第二の宅間守が出現する。しかしこんな馬鹿タレ運転手を雇っているタクシー会社も苦労するわい。

 2003年10月28日(火曜日) 曇/最高気温…23.3℃
 日付が29日に変わった深夜。正確には25時頃。JR大阪環状線大正駅から酔っ払いの御乗車。適当な中距離で長距離が大嫌いなウエちゃんは大喜び。到着予想時間から計算して26時過ぎには入庫できる。目的地に到着して「開けまっせぇ!」…と言ってドアを開ける。酔っ払い氏が一万円札を出すので透かしを確認して、お釣りを数えてさぁ渡そうと振り返ると、げっ!酔っ払い氏がいてへん!慌てて大声で「お客さぁ~ん!お釣りがおまっせぇ~!」…と叫ぶと開けたドアの下から「うぅぅぅ~うっ!」…と唸り声が聞こえる。「お客さん!ど、どないしましてん?」…と聞くと「落ちてもぉたぁ~!オイド(尻)が痛い!」…と酔っ払い氏が半泣き。
 あんさん、いつ落ちはったん?ほんでこの場合どっちが悪いん?過失相殺はいったいナンボやねん?


ウエちゃん

タクシー運転手と文筆の二足の草鞋を履く大阪のタクシー運転手
著書・・・
 『笑う運転手/ウエちゃんのナニワタクシー日記』
 『国道の西、夜明けのミナミ/ウエちゃんのナニワタクシー日記』
                    (両著とも…本の雑誌社より刊行)

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