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ウエちゃんのタクシー日記/場外編  - ウエちゃん

45稿 「スクープ映像TV放映!…新大阪駅低脳悪逆客引タクシー」 2003.05.20

健康増進法がやって来た。俗に言う喫煙法だ。施行日になってやっとこさ世間が騒ぎ出した。
 ウエちゃんが図書館によく行くことは既にご存知だと思うが、別にワザワザ図書館まで行って助平雑誌や助平新聞、助平小説を読みに行っている訳ではない。
 官報をご存知だろうか?図書館で最新の官報を読むのも趣味の一つである。官報には破産関係、資産差押え関係のの公示、競売公示が実名でテンコ盛りに出ているので下手な小説より面白い。
 そして新しい法律が国会で成立すると最新の官報に公示されその後施行される。
 ウエちゃんが健康増進法の公示を見たのは去年の夏の盛りであった。
 調べてみると公布が平成14年8月2日、施行か平成15年5月1日…となっている。自分的には世間の喧騒が、何を今更騒いどんねん!…という気持ちである。
 最近、タクシーに乗ってくるお客さんとの会話にこの健康増進法の話がよく出る。…と言っても喫煙話ばかりなのだが。
「あぁ、それね!去年の夏に官報に載ってましたでぇ!」
 とウエちゃんがお客さんにふると、
「運ちゃん!漢方は飲むもんやろぉ?何を言うてんねん?」
 と言う反応である。
「えっ?お客さん、官報でっせぇ!官報!か・ん・ぽ・う!」
「何ぃ?浣腸~?」
「………!?」
 馬鹿と話しをしていると馬鹿が写るのでこれ以上は話しをしない。
 一応何も知らない人の為に書くが健康増進法は喫煙法ではない。
 健康増進法の条例は第1章から第8章で構成され、1条から39条まである。世間が喫煙法と思っている条例はその中の、第5章第2節第25条の受動喫煙の防止なのだ。第25条には罰則規定はないが下記の通りになっているので、
「禁煙!アホか!タクシーを禁煙にして商売になるかぁい!ボケ!」
 と言っているタクシー会社のアホ馬鹿豪腕野蛮卑劣ワンマンオーナーは参考にされたい。
『学校、体育館、病院、劇場、観覧場、集会場、展示場、百貨店、事務所、
官公庁施設、飲食店その他の多数の者が利用する施設を管理する者は、
これらを利用する者について、受動喫煙(室内又はこれに準ずる環境に
おいて、他人のたばこの煙を吸わされることをいう。)を防止するために必要な
措置を講ずるように努めなければならない。』【平成14年8月2日官報…より】
 2003年5月8日(木曜日)
 知人の朝日放送(ABC)専属の構成作家からABCラジオで放送される特番の取材と録音を依頼される。テーマは万葉集の中にある貧窮問答歌と現在のタクシー運転手の立場について。しかし、タクシー運転手の現在の困窮と万葉集の貧窮問答歌をよくもまぁ、結びつけたものだと感心する。一流の構成作家になると発想や思いつきが鋭い。

 2003年5月10日(土曜日)
 大阪市内某所で関西では最大の組合組織である、自交総連関西ブロックのシンポジウムが粛々と開催される。某タクシー会社労働組合書記長が、遠距離割引を実施している大手タクシー会社のタクシー運転手が、割引かれた売上を取り戻そうと必死になり俗に言うネズミ取りに引っかかったことを紹介。その時の会社側の対応が素晴らしい!拍手喝采である!
「速度違反で検挙されると会社に監査が入る。監査が入ると会社としては非常に困る。速度違反で止められそうになったら現行犯を逃れるために逃げなさい!」
 と言ったそうである。
 会場に安モンの通販TV番組の、サクラのオバちゃんのような溜息が漏れる。
 話の真意は定かではないが、普段の遠距離割引タクシー会社の高速道路や自動車専用道路の走行を見ていると頷けるものがある。先日も深夜、西宮から大阪市内へのんびりと国道43号線を15キロの速度オーバーで帰っていたら、遠距離割引のタクシー会社がビシバシと追い抜いて行くので台数を数えたが20台を超えた所でワケが解からなくなった。
 しかし運輸局の監査が入ると何か悪い事でもあるのだろうか?後ろめたい事がなければ、誰が来ても堂々と構えていれば良いのだが…?

 2003年5月12日(月曜日)
 関西テレビの夕方、FNNスーパーニュース内の関西地区のローカル情報『ホットかんさい』…に、悪名高い新大阪駅一階の伊丹空港行きバス乗り場で、客を言葉巧みに騙して空港バスからタクシーに誘導する悪逆無道のタクシー運転手が、望遠カメラと隠しカメラ、隠しマイクを持った取材チームにスクープされて関西一円に映像が流れる。
 番組のタイトルは『正直運転手激怒、悪質タクシーの実態を激写!』…である。
 この激写映像は長期間の取材の賜物なので恐らく、FNNのドキュメント番組か何かで二次使用として近々に全国放映されるはずである。
 著作権の問題もあるので詳しくは書けないが、アホ馬鹿低脳タクシー運転手たちは毎日同じ文言の嘘とはったりと言い訳で、空港バスに乗り込もうとしている客を巧みに騙してタクシーに誘導している。
 番組の最後がの部分が面白い!
 ワルのタクシー運転手が、客に扮装して隠しカメラとマイクを携帯している記者とも知らずに、同じワル運転手仲間に携帯電話で話しをしている。
「おい!新大阪なんかへんやでぇ!さっきからライトバンがついて来てるんやぁ!左に曲がったら一緒に曲がりよるし…。警察かテレビ局かなんか解からんけど新大阪ヤバイでぇ!逃げとけぇ!」 と後部座席から隠しカメラで撮られているのも知らずに必死で言っている。
 そしてTVカメラは数ヶ月後…。新大阪駅一階の空港バス乗り場。
「又々、同じ悪質タクシー運転手が空港バスに乗ろうとしている乗客を言葉巧みに騙し続けている。」 と言うナレーションが入ってカメラは大阪タクシーセンター(旧・大阪タクシー近代化センター)への役員のインタビューに入る。
 役員さんはビデオをじっと見つめて、
「これはあきらかに違反です!しかし…違反ですが、罰則規定がないので取り締まれないんです。」 で取材VTRは終了してスタジオのアンカーマンに。
 普段は冷静沈着で大人しい関西テレビアナウンサーの毛利八郎さんが怒りました!当然です。
 最初の話に出てきた受動喫煙の防止の条例。残念ながらこれも違反に関しては罰則規定は一切ありません。罰則規定がないにも関わらず国民のほぼ全員が守ろうとしているのです。タクシー業界のレベルの低さを実感さす番組でした。


ウエちゃん

タクシー運転手と文筆の二足の草鞋を履く大阪のタクシー運転手
著書・・・
 『笑う運転手/ウエちゃんのナニワタクシー日記』
 『国道の西、夜明けのミナミ/ウエちゃんのナニワタクシー日記』
                    (両著とも…本の雑誌社より刊行)

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