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ウエちゃんのタクシー日記/場外編  - ウエちゃん

27稿 「知ってはりますかぁ?『NGO』と『NPO』」 2002.04.17

国から裁量制労働を認められている職業がいくつかあるんですわぁ。知ってはりますかぁ?
 その代表的な仕事の一つがタクシー運転手なんですわぁ。
 裁量制とは聞こえはえぇねんけど簡単に言ぅたら歩合給、能力給の事なんでなぁ。
 もっと簡単に言ぅたら、仕事をせえへんかったら1円の給料も貰われへん仕事なんですわぁ!
 1円の給料も支払われへんばかりか、一部のクシー会社のなぁんかは一乗務の欠勤で5000円~20000円程度の罰金を運転手に科すタクシー会社もありまんねん。
 これを給与明細的に言ぅたら欠勤控除と言いまんねんけどなぁ。まぁ、これも解かり易く言ぅたらタクシー車輌の休業保証のよぉなものやねぇ。
 ウエちゃん、突然にインフルエンザにかかってしまったんですぅ!
 突然と書きましたけど、最初から解かっていたら抗生物質を飲んだり予防の注射をしますねんけど、前触れもなく突然に襲って来るのが病気ですわなぁ。
 39度前後の熱が3日ほど続いて、もぉフラフラですわぁ。結局は5乗務ほど休んでしまいましてん。ウエちゃんも一応はタクシー運転手やさかいに仕事を休んだら1円の歩合もつきまへん。給料にならへんのやねぇ。
 全国のタクシー運転手の皆さん!今年の冬前にはインフルエンザの予防接種を受けましょうね。
 接種代の3000円前後をケチっていたら、最終的には10倍返しぐらいになって大変な目にあいますよ!
 なぁんとぉ!京都に『自転車タクシー』が登場する事になになりましたぁ!
 大阪ローカルの新聞、テレビ、ラジオのニュースは『自転車タクシー』で話題を独占しましたなぁ。一部は全国ニュースでも流れたから知ってはる人もいてると思います。
 しゃあけど、こんな提灯報道ばかりを鵜呑みにしてホンマにえぇんやろかぁ?
 最近の提灯記事や報道は、いっつも最初は調子えぇけど最後は必ず尻すぼみになるからちょっとだけ心配やねぇ。
 この提灯報道後のタクシー運転手同士での世間話や、わざわざ強面のタクシーに乗って戴いた御既得なお客さんとの会話は、当分の間この話題で持ちきりやったんですわぁ。

「おいおい!今度、京都で自転車のタクシーが走るらしいなぁ?」
 と世の中の事にはちょっとうとい、新聞や週刊誌は平仮名だけを拾って読むタクシーの運転手の山本さん。
「まったぁ、どっかの会社が宣伝だけの話題作りでやっとんとちやうんけぇ!」
 と春から夏にかけては水茄子ばっかり食べて泉州訛りのきつい、顔も恐いし態度も大きいタクシー運転手の山田さん。
「ちゃう、ちゃう!お前らなぁんも知らへんねんなぁ!これやからアホとモノ言ぅんはしんどいねん!」
 とウエちゃんと同じように、河内の駅弁大学を優秀な成績で6年かけて卒業した、自称インテリタクシー運転手の中山さん。(回りは何とも思ってない!)
「どぉ~言うことやねん?よぉ、解からへんわぁ!教えてくれぇ!」
 とお互いに顔を見合わせて首を傾げる山本さんと山田さん。
「あんなぁ、京都の自転車タクシーは民間の会社がやるんとちゃうねん!NGO…云ぅて知ってるやろぉ?聞いた事はあるやろぉ?」
 と自信満々で自慢げな中山さん。
「あぁ、こないだ国会に呼ばれとった奴やなぁ?」
 と山本さん。
「鈴木さんが大西いう兄ぃちゃんが新聞に出た言ぅて、いてまぅどぉ!…言うて因縁を付けた組織やんけぇ!」
 と山田さん。
「その通り!そのNGOがあの自転車タクシーをやっとんねん!お前ら新聞を読んでるかぁ?助平週刊誌の広告ばっかり読んどったら世間から取り残されるぞぉ!」
 と胸を張った中山さん。
「流石に中山さんやなぁ!伊達に6年も大学へ通ぉてへんわぁ!尊敬するわぁ!ほんまにぃ、ワイら中山さんがおってくれるさかいに勉強になるわぁ!」
 とお互いに見つめ合う山本さんと山田さん。

 ウエちゃんはその横でこの3人の話を聞いて愕然となりました。
 この運転手3人に向かって話を訂正する気力さえ湧いて来ません!訂正したかて、なんのことやら話がこんがらがってややこしくなるばかりです。
 皆さん!『NGO』てホンマに知ってはりますかぁ?
 NGO…ちゅうんは『Non Governmental Organization』の頭文字を取った略称なんですわぁ。
 直訳をしたら『政府とちゃう組織』『非政府組織』…ちゅう事になりまんなぁ。
 だいたいやねぇ、NGOちゅうんは海外を中心に活躍している組織なんですわぁ!日本のNGOは海外では日本政府より信頼が厚いと評判なんですわぁ。しゃあから国際会議でも中心的な役割をして、いらん文句を言ぅたり、邪魔をしたりする官僚や国会議員を簡単に更迭できるんですわぁ。
 しゃあけど、なんでそんな国際組織のNGOが京都で自転車タクシーをせなアカンのぉやろぉ?不思議やねぇ?
 NGOによく似た団体で『NPO』…ちゅうんがありまんなぁ!
 NPOは『Non Profitable Organization』の頭文字を取った略称なんですわぁ。
 直訳したら『利益なんかは求めへん組織』『民間非営利組織』…ちゅう事になりまんなぁ。
 NGOも利益を求めへんから、NPOとはよぉ似てますねんけどね。
 解かり易く言うたら、同んなじ民放のニュース番組なんやけど『JNN』『FNN』『NNN』『ANN』ニュースみたいなもんやろかぁ?ちょっと例えが違うかなぁ?
 天下の喜劇王のエノケンを見に行ったらエノケソが出てきたよぉなもんかぁ!これもちゃうかなぁ?
 京都で環境に優しい公共交通として利益を求めへん『自転車タクシー』を始めるんは、京都のNPOはんなんですわ。まぁ、ボランティアみたいなもんですなぁ。
 営業運転は4月末のゴールデン・ウィーク前後から始まるそうです。
 いったい何年続くんか?
 クソ暑い京都の夏に、京都人の性格のような極寒の京都の冬にボランティアさんたちは辛抱できるんかどぉか、みんなで見守りまひょ。
 ほんでもって道幅の狭い京都の街ん中をヨタヨタと走ってたら心優しい京都の人から、
「そこを走る自転車タクシーのお方!よろしゅおしたら、ブブ漬けでも食べて行きはりますかぁ?」
 と言われまっせぇ!
 これを単刀直入型言語の大阪弁に直訳したら、
「われぇ、こらぁ!自転車タクシー!おのれらぁ、邪魔なんじゃあい!さっさっと家へいに(帰れ)さらせぇ!ボケェ!」
 となるんやねぇ。大丈夫かいなぁ?

 ほんでもこの報道で、一部ニュース番組やワイドショーのアンカーマンやアンカーウーマンが、アホ丸出しのタレント・コメンテーターがエラソーなモノ言いで、
「NPOに出きるのに、どうして民間のタクシー会社はこんな良い事ができないんでしょうか?」
 と言っていた馬鹿がいました。
「お前らぁ、アホかぁ!利益を出さんでもえぇから出きるんやろがぁ!ほんなら、お前らのテレビ番組をCMなしでやってみんかぁい!お前、ギャラなしで出てみぃ!」
 とテレビの前で横山のやっさん状態になって、足を振り上げて怒ってるんは日本中でワイだけやろかぁ?


ウエちゃん

タクシー運転手と文筆の二足の草鞋を履く大阪のタクシー運転手
著書・・・
 『笑う運転手/ウエちゃんのナニワタクシー日記』
 『国道の西、夜明けのミナミ/ウエちゃんのナニワタクシー日記』
                    (両著とも…本の雑誌社より刊行)

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