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タクシーで行こう! - 小雪

3稿 「卒業」 2010.02.07

あたしね、
東急東横線の白楽っていう駅から、細い坂道を登りきったところの閑静な住宅地で、お絵かきをしたり、ピアノを弾いたりして育ったの。
いつも女の子と遊んでて髪も長くしてたから、大声を出して走り回ってるヤンちゃ坊主とは大違いだったわぁ。六角橋商店街で母と買物をしてる時は、いつも女の子に間違えられてた。
おとなしくて、お上品で、素直で、可愛くて、回りからそういわれることが嬉しいと感じてたんだと思う。
ピアノ、水泳、剣道、書道、学習塾・・・たくさんの習い事をやって、大きくなったら大学に行くんだよ、って言われながら育ったのよね。

ところが!気がつきゃあんた、タクシードライバーよ!!

子供の頃から、暑い、寒い、重い、汚い、臭い、のがキライで、避けて通ってきたわぁ~。だから今でも苦手なのよね、この5ツ。
でもね、そうも言ってられない瞬間が何度か訪れるわけよ、生きてるとさぁ。。。

あたし、超~過保護に育った弱虫な人間よ、ホントよ。
幼稚園の頃から、時間の過ごし方は全て親によって決められてたし、遊ぶ友達も親によって選抜されてた。
新しいお友達と遊んでると、その子の親はどこの会社で働いてるのか?と聞かれたし、カップラーメンには毒が入ってるから食べちゃダメとか、缶ジュースを飲むとガンになるって言われたわぁ、異常よね。
いつもデキル子と比較され、デキル子が見てるテレビしか見せてもらえなかったし、デキル子が持ってるものしか持たせてもらえなかったわぁ。
外食といえばホテルのレストラン。回転寿司とは縁がなかった。でもね、そんな事より、もっと友達と遊びたかったし、もっとたくさん話がしたかったの。
親が怖くて怖くて・・・本当に怖くて、いつもおびえてた。だから友達はいなかったしクラスじゃ嫌われ者よ。兄弟もいないし、独りぼっちだったわぁ~。

幼稚園の次は小学校、その次は中学校、次は高校と、時間が経てば自然に繰り上がっていくでしょ、普通。
でもあたしには、自分自身でブチ破らなければいけない大きな扉があることに気付いてたの。あとは、いつ「爆発」するか?
それだけだったわぁ、十代の頃の話よ。

「自由」ってなんだろう?
そう考えながら、本当の「自由」の意味も分からないまま、あたしはついに大爆発!
そう、親の過剰なプレッシャーと干渉に耐え切れず、まさにビッグバーンよ!!

優秀な大学を出て大企業に入ってコツコツ働いて出生していく・・・という親が敷いたレールとは正反対の方向へ進み始めたのよね。親元を離れて自分の力で生きていくと決めたの。二十歳を過ぎてからの遅すぎたデビューよ。

二十歳まで友達と一緒に御飯を食べた事なかったから、学生時代に最初に食べた高田馬場の吉野家の牛丼の味は今でも覚えてるわぁ。
友達がメニューも見ずに「並ください」って言った時、「並って何よ?」って思ったのを覚えてる。恥ずかしい話よね。初めてラーメン屋に入ったときの不安感、初めて女の子が部屋に来た時の安心感(あたしルックスだけは良かったから?いろんな女の子が来てくれたのよね、「H」目的だったのかもしれないけどあんまり興味なくってゴメンね!)
明らかに、他の同世代からは差があった。大幅に遅れてると感じてた。だから、大急ぎでいろんな事をやったわぁ。
刺激が欲しくてメチャクチャな生活を送ったのよ、あたし。。。

甘えん坊で、女々しくて、根気のない、使えないヤツだったと思う。
今でもそうかもしれない(?)
でも、自分の力で生きるって決めた時から、すぐ目の前に少しだけガンバれば手が届きそうな目標を決めて、クリアさせるために必要な情報を集めたり、手段を考えながら、成りたい自分をイメージして、それを信じることにしたの。
そしたら不思議と、イメージ通りの自分になれたり、なれなかった時は作戦を変更したりしながら時間を楽しむようにしてるの。

おかげさまで、社会人になってからは多くの信頼できる友達に恵まれて、いつでも、何でも相談できたり、電話1本、メール1発で飲みに行ける友達もたくさん出来ました。本当にみんな、ありがとう!いつも独りぼっちだったあたしが一番欲しかった自由って、友達を作る事だったのかもしれないわね。

タクシー会社に入った時、20歳も30歳も年上の先輩達ばかりで最初は怖かったし、実際、「お前、若いくせに何しにタクシーなんか!?」って言われたり、「バカヤロー、道も分かんないくせにタクシーやってんじゃねぇよ!」とか怒鳴られたわぁ~。
でも、今じゃぁそんなガンコジジイ(お兄様)達とも平気でタメ語で話して笑い合ってる仲よ!

あたし、一つだけ信じてることがあるの。それは、目標は達成させる為にあるって事よ。夢は追いかけるためにあるのかも?
そして、それを追いかけるのが浪漫なのかな~?
とか言って、カッコつけてる場合じゃないわッ!
・・・あたし、明日も走るわよ!

第2稿 「マシーン」 も読んでみる

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小雪

子供の頃からクルマが大好きで、大学入学と同時にガソリンスタンドでアルバイトを始め、閉店後のピットで毎日クルマいじり。
そのうち大学にはほとんど行かなくなってしまい2年で中退。
ガソリンスタンドに入社、その後、2tトラック、4tトラックを経て14t大型長距離ドライバーとして日本中を走り回りまわる。
レーシングカートでヤマハ.カップ・レースに1年間出場した経験もあるよ。
インターネットの普及に伴い、自動車関連のネットショップを開業。
順調に売り上げを伸ばしてきたのに、100年に1度の大不況の波が押し寄せ仕事が減ってしまい、緊急対策としてタクシーデビューを決心。
休みの日には趣味である「女装」をして世の男性を魅了してストレス解消!?
そんなあたしですが、皆様、応援してくださいネ♪
タクシードライバーブログ「小雪族」毎日、更新中!!!
http://blog.livedoor.jp/koyukizoku/

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