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皆様、こんにちは。 東京の郊外、多摩地方でタクシーの運転手をしております。 「いっぽ」と申します。
この度、縁が有りましてこちらのコラムを書かせて頂く事となりました。宜しくお願い致します。 私は、コンピュータのソフト開発の仕事から47歳でタクシー業界へと転職いたしました。
最初のお話は、転職直後の「失敗のお話」で皆様のご機嫌を伺いたいと思います。
タクシーに乗られたことの無い方は少ないと思うのですが、 タクシーを運転する経験はそう多くの方が経験されるものではございません。
私も転職当初は、研修等で色々と脅され(乗り逃げ・強盗・事故・泥酔者)戦々恐々でこの仕事を始めました。 しかし、「案ずるより産むが易し」で、いざ乗務しますと、 優しいお客様が大半で研修で聞かされた恐ろしい思いもすることなくタクシー業務は順調にスタートしました。
東京の郊外の多摩地域では、都心のタクシーの様に空車で街中を走り回りお客様を探す「流し」は行いません。 担当する駅で待機してお客様を待つ「駅付け」と、 タクシーを必要な方が会社に電話してタクシーを呼ぶ「無線配車」の2本立てとなります。
基本的に住宅街の街ですので、駅からご乗車のお客様は殆どの方が、近隣の団地・住宅へのお客様となります。 お客様はご乗車になりますと、目的地を住所で運転手に告げてこられます。
「桜町の2-5-1までお願いします。」
皆様もご自身の地元でも、住所を云われてピンポイントで場所が解る所は自宅以外には少ないのではないでしょうか?
最初に困ったのが、この住所攻撃です。
「桜台団地の25号棟の一番手前の階段までね」なんて 指定されるお客様もお出でで、新米のいっぽ運転手が解る訳が有りません。 ベテラン先輩が一緒に乗務して指導してくれる「同乗指導」が3日間程ありますが、 大まかな団地の位置を覚えるのが精一杯で長年のアルコール摂取と、 年齢に伴う脳の機能が低下している私が数日で団地の号棟まで頭に入るはずが有りません。
どうするか・・・ お客様に教えて頂くしか、解決策はございません。
「申し訳有りません、新人なので道を教えて頂けますか?」
すると殆どのお客様が嫌がる事なく道を教えて下さり
「この建物が団地の児童館ね、昼間に利用する人が多いよ。」 「この向かいの号棟に行く時は、反対の入口から入ってね。」
なんて、色々と親切にして下さいます。 そして中には・・・
「大変でしょうけど頑張って下さい、お釣りで飲物でも買って。」
なんてチップまで下さり”感謝感激・雨あられ”となります。 このお客様の「ご厚情」にお応えして、一生懸命勉強して早く団地を覚えるのがまともな人間の行動なのでしょうが、 私はこの「ご厚情」を逆手に取り己の努力を放棄したのでありました。 聞けば教えてもらえる・上手くすればチップも貰えるこんな楽な商売はないわい!! この様な考えに基づき、考案した作戦が「3回目作戦」となります。 お客様がご乗車になって、団地名を告げられますと
「新人で、今日が3回目の乗務なんで、教えてもらえますか?」
この受け答えを常套句として、よせばいいのに入社後3ヶ月間もこの作戦を実行したのでした。 しかし、タクシーの神様は私のこの行動に天罰を与えて下さいました。
「桜台団地の25号棟までね!!」 男性のお客様が行き先を告げられますと、すかさず・・・
「新人で、今日が3回目の乗務なんで、教えてもらえますか?」
すると暫く返事がありません!! 不思議に思い満面の笑みを浮かべながら再度・・・
「新人で、今日が3回目の乗務なんで、教えてもらえますか?」
とやらかした、瞬間!!
「おい、いっぽさんよ~!!何が3回目の乗務だ!!」 「お前に場所教えるのは、これで5回目だ!!」 「いい加減、自分で覚えろ!!」
もの凄い剣幕で怒鳴られてしまい大いに反省した次第です。 仕事は真面目に地道な努力を一歩・いっぽ続けないといけませんね。
あ・あ 反省!!
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●いっぽ
1957年生まれの51歳 高校を卒業後、職を転々とし、ひょんなきっかけで26歳でソフト開発会社に就職 以後20数年SEとして金融・流通・通販etcのコンピュータソフトの開発業務に従事 47歳でタクシードライバーに転職し現在5年目 血液型A型、妻・娘二人 自身のブログも3年目に突入:http://blogs.yahoo.co.jp/ippo_toktyo 実話をベースにしている??? 読んでのお楽しみ・・・ あること・ないこと思いついたまま書きました。
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